32年ぶりとなる改修工事を完了し、今年1月に再開館した渋谷区立松濤美術館で、リニューアル記念特別展「ねこ・猫・ネコ」展が好評開催中。4月29日(火・祝)より後期展示が始まった。
古代エジプトで山猫を家畜化して誕生したといわれる猫は、鼠の害から穀物を護る家畜として世界中に広まり、日本へは仏教伝来にともなって、船上での 鼠の害から経典を守るためにもたらされたと伝えられている。以後、猫は実用性からばかりでなく、神秘的で魅惑的、美しく気高く可愛らしい動物として人々の 生活の中に溶け込んできた。
今展は、近世以後の猫が描かれた作品を中心に、中国・朝鮮の作品も含む87点の絵画・彫刻を紹介するもの。エジプト末期王朝時代の猫のブロンズを序章に、「第一章:孤高の猫」、「第二章:猫のいる情景」、「第三章:眠る猫」、「第四章:猫と蝶」、「第五章:猫と鼠」、「第六章:猫と美人」、「第七章:中国・朝鮮の猫」という構成で、多くの人たちに愛された猫の気高さ、美しさを観るとともに、猫と人との営みを顧みる。また、日本画家の中島千波氏と畠中光享氏が今展のために制作した新作も展示。中島氏も畠中氏も猫をモチーフとした作品を描くのは初めてとのこと。
会期中は、 「私の愛する猫たち」と題して“ネコ割”を実施。来場者が自分で撮影した猫の写真を持参すると、その写真が展示されるとともに、その日の入館料が2割引きとなる。割引は会期中一人一回限り、他の割引との併用不可。
【会期】 前期:4月5日(土)~4月28日(月) 後期:4月29日(火・祝)~5月18日(日)
【会場】 渋谷区立松濤美術館 (東京都渋谷区松涛2-14-14) ☎03-3465-9421
【休館】 月曜、5月7日(水)、ただし4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館
【開館時間】 10:00~18:00 (入館は17:30まで)
※金曜のみ19:00まで開館(入館は18:30まで)
【料金】 一般1,000円 大学生800円 高校生・60歳以上500円 小中学生100円
【関連リンク】 渋谷区立松濤美術館
<会期中のイベント>
「ねこ・猫・ネコ落語」
【日時】 5月3日(土・祝) 14:00~15:00
【会場】 地下2階ホール (13:30開場、先着順)
【講師】 慶應義塾大学落語研究会
【参加費】 無料 (要入館券)
【定員】 80名
担当学芸員によるギャラリートーク
【日時】 5月6日(火)、10日(土) 各日14時~
【参加費】 無料 (要入館券)
学芸員と歩く 松濤美術館館内 建築ツアー
【日時】 5月2日(金)、16日(金) 18:00~18:30頃
【参加費】 無料 (要入館券)
※雨天の場合、見学場所が変更。