昨年に開催された第77回新制作展において、数十年ぶりとなる最高賞「新制作協会賞」を受賞したゼロ ヒガシダが、東京・北上野のいりや画廊で個展を開催中だ。
1958年広島に生まれたゼロ ヒガシダは、1986年東京藝術大学大学院修了後に渡米。以降は広島とニューヨークを拠点に世界各国で精力的に活動を続けている。その評価は国内よりむしろ海外の方が高く、『The Zoo Story』をはじめとする、数々の作品で知られる米国人脚本家・Edward Albee氏は、2006年に発刊したエッセイ本『Stretching My Mind』において、ゼロ ヒガシダの作品を絶賛している(作家HPに原文)。
国内では、2008年にKAJIMA彫刻コンクールで金賞を受賞。新制作展に出品を始めたのは近年のことだが、2012年の第75回展、2013年の第76回展で連続して新作家賞を受賞し、昨年の第77回展では、東日本大震災の犠牲者への追悼と世界平和の願いを込めた「INORI Ⅱ」が、最高賞にあたる新制作協会賞を受賞。本作品は東京都美術館で開催中「公募団体ベストセレクション 美術 2014」で観ることが出来る(5月27日まで)。
今展では、ステンレス スティールを主な素材とした新作、大作を含めた壁面、床面作品など10点余りが展示されている。縦長の展示スペースに鎮座する静かな、しかし圧倒的な存在感、多様な表情を見せる様々な意匠を存分に味わえる内容だ。日本彫刻界の次代を担う作家のひとりとして、今後の活動が期待されるゼロ ヒガシダの造形世界をぜひ間近に楽しんでほしい。
【会期】 2014年5月5日(月)~17日(土)
【会場】 いりや画廊(東京都台東区北上野2-30-2) ☎03-6802-8122
【休廊】 日曜
【営業時間】 11:30~19:30 (最終日は16時まで)
【料金】 無料
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