彩色木彫の第一人者・平野富山を父に持つ平野千里(1948年東京都生まれ、太平洋美術会理事)は、その極彩色を施した木彫作品で知られる。20歳でイタリア国立ローマ・アカデミアに留学し、その後20年にも及ぶイタリア生活を経験、木彫・石彫・ブロンズなど西洋の彫刻技法を習得した後に帰国し、父・富山から彩色木彫を学んだ。
動的な西洋彫刻ではなく、静的で対話のできる日本的な彫刻を目指し、制作を続ける平野。その制作過程はまず粘土でモデルとなる原型を制作、そして樟を材料に木彫を彫り上げていく。そして胡粉、岩絵具、金泥、金箔などで極彩色が施された作品の表面には独特のマチエールが表出する。
今展では富山の跡を継いで25年となる一区切りの意味を込め、鏡獅子や天満天神尊像、翁舞など新作も織り交ぜた約20点を展覧。更なる飛躍を目指す平野に目が離せない。
【会期】 5月14日~20日(火)
【会場】 髙島屋大阪店6階美術画廊 (大阪市中央区難波5-1-5) ☎06-6631-1101
【休廊】 無休
【開場時間】 10:00~20:00 (最終日は16時閉場)
【料金】 無料
【関連リンク】 平野千里オフィシャルサイト 髙島屋大阪店