近代工芸の先駆者である藤井達吉(1881~1964)は、「工芸家は同時にそれ自身が画家でもあり、建築家、彫刻家でもある」ことが理想と語った。単なる技術集団としての工芸家ではなく、工芸は生活のなかの存在であることをめざした。その脳裏にあったのは、明治期の輸出を目的とした殖産興業的な工芸からの脱却であり、同時代の工芸家の手に統合されなければならないと考えていた。
藤井の活動は驚くほど広範囲で、七宝、刺繍、染色、金工、木工、陶芸、手漉き和紙など工芸全般にわたり、さらには日本画、墨画、油彩画、木版画、装丁などの制作も多彩である。
最近になって藤井の全盛期の作品が次々と知られるようになり、その全貌を紹介することが可能になった。今展は、藤井作品の全貌を展観する規模で構成し、その芸術の魅力と特異性を紹介する。高踏的臭みもなく、大衆へ向けた眼差しを持ち続けた藤井。だからこそ時を越えて今、見えなかったものが、私たちに語りかけてくることだろう。
【会期 】 2014年6月10日(火)~7月27日(日) ※7月8日(火)より一部展示替予定
【会場】 渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2-14-1)☎03-3465-9421
【休館】 6月16・23日(月)、7月7・14日(月)、7月22日(火)
【開館時間】 10:00~18:00、金曜日は19:00まで(入館は閉館30分前まで)
【料金】 一般500円 大学生400円 高校生・60歳以上250円 小学生100円
障がい者と介助者1人無料(障がい者手帳帖等を提示)
※毎週金曜日、渋谷区民は無料(在住がわかる書類を提示)
※土・日曜日、祝・休日、夏休み期間は小中学生無料
<会期中のイベント>
講演会「藤井達吉の芸術と生涯」
【日時】 6月15日(日) 午後2時~
【講師】 木本文平(碧南市藤井達吉現代美術館館長)
【会場】 地下2階ホール
【参加費】 無料(要入館券)
【定員】 80名(先着順)
ワークショップ「空に舞うモビール作り」
【内容】 私たちの生活に身近なアルミ缶を利用して、モビールを作る
【日時】 7月5日(土)午後2~5時頃
【講師】 長谷川ジェット
【参加費】 無料(要入館券)
【定員】 20名(先着順、午後1時30分より地下2階ホールで参加受付)
【関連リンク】渋谷区立松濤美術館
〈招待券プレゼント〉
同展の招待券を、5組10名様にプレゼントいたします。メールのタイトルに「藤井達吉の全貌 招待券プレゼント」とご記入の上、①郵便番号②住所③氏名④年齢⑤職業⑥当サイトへのご意見 を以下のメールアドレスまでお送りください。
present@art-news.co.jp
締切 6月15日(日)必着