水彩画では困難とされた人物画で大画面に挑み、重厚で暖かみある画風を確立させた水彩画家・荒谷直之介(1902~94)の展覧会が開催されている。
荒谷は、富山県に生まれ、早くから画家を志して上京。川端龍子らのスケッチ倶楽部に入り指導を受けるが、病気のため一時帰郷、18年に再上京し、赤城泰舒に師事した。
20年、黒田清輝らが指導にあたっていた葵橋洋画研究所で学び、同年日本水彩画展に初入選、36年同展で第一賞、40年には昭和洋画奨励賞を受賞するなど、水彩画家として頭角を現し、同年、小堀進や春日部たすくとともに水彩連盟を結成した。戦後46年には一水会会員に、58年に日展会員となった。
人物表現にこだわり、家族や身近な人々、希望に満ち溢れた若いモデルを中心に温かなまなざしで描き、晩年まで一水会展や日展等に作品を発表した。
本展では、生誕110年を記念し、日本水彩画会展に初入選した「夜の自画像」など初期の作品から孫たちを描いた晩年の人物画や風景画まで、関係資料などと併せて約100点を紹介する。
なお、佐倉市は、荒谷が68年から26年間住んだ地で、本展は、佐倉市教育委員会が推進している「佐倉学」の一環として開催される。
【会期】 2012年8月4日(土)~9月23日(日)
【会場】 佐倉市立美術館(千葉県佐倉市新町210)
☎043-485-7851
【休館】 月曜、9月18日、ただし9月17日開館
【開館時間】 10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
【料金】 一般600円 大学・高校生400円 中学生以下無料
【関連リンク】 佐倉市立美術館 公式ホームページ
「新美術新聞」2012年8月21日号(第1288号)1面より
〈招待券プレゼント〉
同展の招待券を、5組10名様にプレゼントいたします。
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締切 8月25日必着
※応募多数の際は抽選とさせていただきます。なお当選者の発表は、発送をもってかえさせていただきます。