室生寺(奈良県宇陀市)の全面的な協力のもと、東日本大震災復興を祈念して実施される今展は、優美な姿で知られる国宝の十一面観音菩薩立像や釈迦如来坐像をはじめ、室生寺の主要な宝物が東北に初めてやってくる。展示構成は次のとおり。
第1章「密教の伝灯と秘宝」は、室生寺に古来から伝わる貴重な大般若経などの経典や古文書、仏画を紹介し、室生寺創建の成り立ちとその信仰の歴史を概観する。第2章「伝法灌頂の儀式」は、密教で法を伝授する儀式「灌頂」が行われる灌頂堂(国宝)内陣の本尊を飾る曼荼羅、大壇具、さらに真言宗の法統を伝えた8人の祖師の像や十二天像などを展示。第3章「変化自在の十二神将」は、金堂の本尊前に一列に安置される十二神将立像(重要文化財)が勢揃いする。現在は二体が奈良国立博物館へ寄託されているが、今展では十二体すべてが一堂に出陳される、またとない機会になる。
第4章「厳かな慈悲の仏たち」は、室生寺金堂に安置されている五体の仏像から「地蔵菩薩立像」(重要文化財)、「薬師如来立像」(重要文化財)、本尊の左側に位置する「文殊菩薩立像」(重要文化財)、また、金堂の西側に建つ弥勒堂(重要文化財)外陣に安置され、写真家・土門拳が室生寺を訪れた際「天下第一の美男の仏像」と絶賛した「釈迦如来坐像」(国宝)が出陳。第5章「美と自愛の化身 十一面観音菩薩」は、室生寺金堂に安置され、女人高野の名にふさわしい優美な観音像「十一面観音菩薩立像」(国宝)が出陳。また、土門拳、飛鳥園の小川晴暘・光三親子、三好和義と、室生寺を愛した写真家による迫力ある作品も展示し、その魅力の一端を多角的に紹介する。
【会期】 2014年7月4日(金)~8月24日(日)
【会場】 仙台市博物館(宮城県仙台市青葉区川内26)
☎022-225-3074
【休館】 月曜(7月21日は開館)、7月22日
【開館時間】 9:00~16:45
【料金】 一般1,400円 大・高校生1,100円 小・中学生700円
【関連リンク】 仙台市博物館「奈良・国宝 宝生寺の仏たち」
講演会
1)7月5日(土) 13:30~14:30 ※終了しました
「室生寺の歴史と信仰−十一面観音とともに」網代智明氏 (大本山室生寺座主)
2)7月19日(土) 13:30〜15:00
「室生寺の仏像と歴史」井上一稔 氏 (同志社大学文学部教授)
3)8月2日(土) 13:30〜15:00
「写真家の聖地 室生寺」三好和義氏 (写真家)
4)8月3日(日) 13:30~14:30 ※申込不要
「室生寺の歴史」小田修史氏 (大本山室生寺執事長)
【会場】全て、仙台市博物館ホール、定員:200名
【参加費】無料
【申込】
・各イベント1名様につき1枚の往復はがきに参加希望のイベント番号(1、2、3)と住所・氏名・電話番号を記入のうえ、仙台市博物館「室生寺の仏たち」係まで。
・締切:1)6/20(金)、2)7/4(金)、3)7/18(金)
・当日消印有効
・1枚の往復はがきで1人の応募
・応募者多数の場合は抽選。