日本万国博覧会が終了した翌月の1970年10月、日本国有鉄道が個人旅行拡大のため開始した大々的なキャンペーン、「ディスカバー・ジャパン」。このキャンペーンを検証する展覧会が東京ステーションギャラリーで開催される。
駅舎、車両、新聞、雑誌などを飾った広告には場所のはっきりしない写真と大きな英語のロゴ。特定の観光地へと誘う従来の宣伝と大きく異なり、「美しい日本と私」をテーマに人の心に呼びかけようとする手法、そして若い女性をターゲットにしたファッショナブルなデザインは、国鉄にとっても、またこの時代においても大きな転換を示すものだった。
本展では70年10月から76年12月まで6年以上にわたって展開された同キャンペーンのポスターを中心に、スタンプ、チケット、パンフレットなど100点を超える関連資料を展示。またスタジオを飛び出したファッション写真でセンセーションを起こした『アンアン』など「ディスカバー・ジャパン」を生んだ土壌もあわせて紹介する。
また当時、同キャンペーンに対して猛烈な反発を表明した写真家・中平卓馬と、それに異を唱えたテレビ番組「遠くへ行きたい」のディレクター・今野勉の間に起った「ディスカバー・ジャパン論争」を検証。会場では同番組の傑作とされる「天が近い村」が上映され、美術館がテレビ番組を作品として展示するという初の試みがなされる。
【会期】9月13日(土)~11月9日(日)
【会場】東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1) TEL 03-3212-2485
【休館】月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜休館)
【開館時間】10:00~18:00 (金曜は20:00まで、入館はそれぞれ閉館30分前まで)
【料金】 一般900円 高校・大学生700円 小・中学生400円
【関連リンク】 東京ステーションギャラリー
■記念シンポジウム「DISCOVER JAPAN 2014 流通するイメージとメディアの中の風景」
【日時】9月27日(土) 13:00~18:00(予定)
【会場】東京藝術大学 美術学部中央棟第1講義室(定員170人、先着順)
【出演】小原真史(IZU PHOTO MUSEUM研究員)、吉見俊哉(東京大学教授)
足立正生(映画監督)、今野勉(テレビディレクター/テレビマンユニオン)
【企画】成相肇(東京ステーションギャラリー学芸員)、松井茂(東京藝術大学芸術情報センター助教)
【プログラム】
第1部 プレゼンテーション
13時00分〜15分:松井茂「流通するイメージとメディアの中の風景」
13時15分〜35分:小原真史×成相肇「“風景”をめぐって」
13時35分〜50分:吉見俊哉「1968/73:〈戦後〉の臨界をめぐって」
第2部 上映+トーク
14時〜14時30分:『略称・連続射殺魔』(抜粋上映)
14時30分〜15時:足立正生トーク
15時〜15時30分:『遠くへ行きたい』(ダイジェスト上映)
15時30分〜16時:今野勉トーク
第3部 討議
16時00分〜18時:足立、今野、吉見、小原、松井(司会)
〈招待券プレゼント〉
同展の招待券を、5組10名様にプレゼントいたします。
メールのタイトルに「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン展 招待券プレゼント」とご記入の上、①郵便番号②住所③氏名④年齢⑤職業⑥当サイトへのご意見 を以下のメールアドレスまでお送りください。
present@art-news.co.jp
締切 10月5日(日)必着