古道をあるく、アートが生まれる
三重県・奈良県・和歌山県に所在する3つの霊場(吉野・大峰、熊野三山、高野山)と参詣道(熊野参詣道、大峯奥駈道、高野山町石道)が、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界文化遺産に登録されてから10周年という節目の年に当たる今年。伊勢国から熊野三山へと至る参詣道であり、熊野古道の一つでもある伊勢路が走る三重で「カミノ/クマノ―聖なる場所へ」が開催される。
スペイン語で「道」を意味するとともに、霊場である熊野の聖性を示す「カミノ/Camino」。森林、河川、海浜などからなる紀伊山地の豊かな自然と宗教文化は、古来芸術や文学の源泉となって数多くの作品を生み出してきただけでなく、現代においても多くの芸術家たちにインスピレーションを与えている。今展では、熊野を特徴づけている自然と宗教世界に関心を寄せる三重出身の若手作家たちの作品を通じて、熊野の自然と宗教が芸術創造に果たす今日的姿を紹介する。
参加作家は荒川朋子(1975年生まれ)、城戸保(1974年生まれ)、水野勝規(1982年生まれ)、渡部裕二(1974年生まれ)と建築家グループ・ミエケンジンカイ (江口智行、岡村裕次、落合正行、海田修平、須川哲也)となっており、写真、絵画、ドローイング、映像、建築と、それぞれ異なった分野で表現を続け、国内外で評価を得ているメンバーが揃う。「熊野」という同じテーマに向き合いながら、全く異なった切り口で挑むアーティストたちの多様な表現を楽しむことができるだろう。
【会期】9月20日(土)~11月24日(月・祝)
【会期】三重県立美術館(津市大谷町11) TEL 059-227-2100
【開館時間】9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
【休館】月曜、ただし祝日のとき開館、翌日休館
【料金】一般900円(700円) 学生700円(500円) 高校生以下無料 ()は前売りおよび20名以上の団体料金
【関連リンク】三重県立美術館
■アーティストトーク
9月21日(日)城戸保
9月28日(日)水野勝規
10月26日(日)ミエケンジンカイ
11月3日(月・祝)荒川朋子
11月9日(日)渡部裕二
【会場】企画展示室内
【時間】いずれも14:00~ ※観覧券が必要