現代の新しい彫刻表現を紹介するシリーズを展開している彫刻の森美術館。その第5回となる「保井智貴 佇む空気/silence」が開催される。
保井は1974年アントワープ(ベルギー)生まれ。2001年に東京藝術大学大学院彫刻専攻を修了、現在は東京造形大学美術学科彫刻専攻領域で准教授を務める。その作品は乾漆や螺鈿といった古くからある伝統工芸の技法を用いており、これまで人間像を中心に発表している。
『非常な速さで前進してゆく現代社会の中で、人がただまっすぐに佇む姿から感じる空気』をテーマに、自然の本来の姿を静諸な空間から表現することを試みている保井。麻布に漆を塗り重ねて乾燥を繰り返し、その上に薄く切った貝をはめ込んだ造形には、伝統的な技法と現代的な感性が融合している。衣服に散りばめた螺銅の光彩や瞳の貴石など神秘的な装いをまとい静止する人物たちは、日常とは異なる時間のうつろいをあたりに漂わせ、観る者を詩的な空間へと誘う。約14点を出品予定。
【会期】9月20日(土)~2015年3月1日(日)
【会場】彫刻の森美術館 本館ギャラリー(神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121) TEL 0460-82-1161
【開館時間】9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
【休館】会期中無休
【料金】一般1600円 大・高校生1200円 中・小学生800円
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