上田市立美術館開館記念特別展
10月2日、JR長野新幹線上田駅から徒歩7分の地に建つ複合文化施設内に上田市立美術館が開館する。開館記念特別展として取り上げるのが、郷土を代表する洋画家・山本鼎(やまもと・かなえ、1882~1946)である。
山本は10歳から版画工房で修業し、東京美術学校(現東京藝術大学)卒業後は浮世絵とは違った「自画」「自刻」「自摺」による「創作版画」を提唱。1912年パリに留学し、印象派の画家たちに強い影響を受け、またロシアでも児童自由画や農民美術にふれ、日本の地でそうした新しい美術運動を広げることに生涯をかけた。
4年間の欧州留学中でリアリズム(実相主義)の信念をつかみ、「自分が直接感じたものが尊い」と考えるに至った。その幅広い業績を国立美術館をはじめとする全国各地の鼎の代表作、さらに上田では初めて、セザンヌやモネ、ルノアールといったフランス印象派の画家たちの作品を通して、「鼎のリアリズム」の形成に与えた影響を作品や関連資料約300点によって考察する。
山本鼎の芸術上の信念を現代に受け継ぎ、新たに「21世紀の美術教育(ひとづくり)の聖地」を目指す同館の誕生を祝うにふさわしい展覧会となる。
【会期】10月2日(木)~11月9日(日)
【会場】上田市立美術館(長野県上田市天神3-15-15) TEL 0268-27-2300
【休館】火曜日
【開館】9:00~17:00(10月2日は13:00開館、入館はそれぞれ閉館30分前まで)
【料金】一般800円 大学・専門学生500円 高校生以下無料 ※10月2日(木)、3日(金)は無料
【関連リンク】上田市立美術館
■シンポジウム ※全て事前申し込み不要、無料
【プログラム①】「作家としての山本鼎」
【日時】10月13日(月・祝) 10:00~11:30
【会場】上田市交流文化芸術センター(サントミューゼ)多目的ホール
【パネリスト】西山純子(千葉市美術館学芸員)、小林未央子(日本大学芸術学部非常勤講師)、
窪島誠一郎(「信濃デッサン館」「無言館」館主・作家)
【プログラム②】「教育者・鼎が追い求めたもの」
【日時】10月13日(月・祝) 13:30~15:00
【会場】上田市交流文化芸術センター(サントミューゼ)多目的ホール
【パネリスト】金子一夫(茨城大学教育学部教授)、村上民(学校法人自由学園 図書館・資料室)、
清水義博(長野県農民美術連合会会員)