堀文子の70余年にわたる画業の足跡を辿る
堀文子(ほり ふみこ)は、1918(大正7)年に東京に生まれ、幼少時に関東大震災、10代後半に二・二六事件を間近で体験するなど、多感な少女時代を激動の中で過ごした。その中で、眼に映る色や形に心惹かれ、次第に絵の世界へと踏み込んでいった。
女子美術専門学校(現 女子美術大学)在学中には新美術人協会に出品、戦後は創造美術(現 創画会)に参加するなど、新しい日本画の創造を目指して邁進し、1952(昭和27)年には注目の女流日本画家として第2回上村松園賞を受賞。その後も、欧米諸国、メキシコ、アマゾン、ヒマラヤ山麓など世界各地への旅行や、大磯・軽井沢・イタリアにて制作を行う中で見てきた自然、ミクロの世界に息づく生命などを通じて、その時々の感動にもとづいたテーマにより、自由で清新な作品を数多く生み出してきた。
今展では、96歳となる現在も精力的に創作を行う堀文子の作品39点を展示。時代を通じて自然、生命の不思議を見つめ続ける画家の70余年にわたる画業の足跡を辿る。
また、特別出品として、創造美術から創画会に至る中で一時所属を同じくした秋野不矩の作品7点を展示する。
【会期】10月11日(土)~11月16日(日)
【会場】浜松市秋野不矩美術館
【開館】9:30~17:00
【休館】10月14日(火)・20日(月)、11月4日(火)・10日(月)
【料金】一般800(640)円、高校生500(400)円、小中学生300(240)円
※()内は20名以上の団体料金
※70歳以上及び障害者手帳所持者は半額
※静岡県内の小学生でミュージアムパスポート持参の方は無料
【関連リンク】浜松市秋野不矩美術館
秋野不矩美術館について
秋野不矩美術館は、秋野不矩の故郷二俣の町を見下ろす小高い山の上にある。地元天竜杉や鉄平石など、自然素材をふんだんに使用。設計者・藤森照信氏による「秋野作品を展示するのにふさわしい展示室を」とのコンセプトにより、展示室の壁は漆喰仕上げで、床には大理石や籐ござが敷かれ、履物を脱いで鑑賞するスタイルとなっている。ゆったりとした空間の中で、作品と心穏やかに向き合うことができる美術館。