50年におよぶ歩みを一望する回顧展
前衛美術家、漫画家・イラストレーター、小説家・エッセイスト、写真家といった複数の顔を持つ芸術家・赤瀬川原平の歩みを一望する回顧展が開催される。
赤瀬川は1937年神奈川県横浜市生まれ。1958年に第10回読売アンデパンダン展に初出品を果たし、1960年に篠原有司男、吉村益信、荒川修作らとともに「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」の結成に参加。1963年には中西夏之、高松次郎と「ハイレッド・センター」の活動を開始し、「反芸術」を代表する作家となる。またこのころ制作した一連の《模型千円札》が「通貨及証券模造取締法」違反に問われ、1965年より「千円札裁判」を闘うことで、その名は現代美術界の外にも広まって行った。
同裁判の控訴審が終了した1968年頃からは、漫画家・イラストレーターの領域に活動の場を移し、『櫻画報』の成功によって一躍パロディ漫画の旗手となる。さらに70年代末より文学の世界にも本格的に足を踏み入れ、1981年には尾辻克彦名義で出版した小説『父が消えた』で芥川賞を受賞。80年代以降は、「超芸術トマソン」「路上観察学会」「ライカ同盟」の連載や活動を通して、街中で発見した奇妙な物件を写真に記録・発表した。
その独創的な作品と発想によって、日本の現代美術史において揺るぎない地位を築く一方、いまなお若い作家たちに刺激を与え続けている赤瀬川原平。今展は、500点を超える赤瀬川の多彩な作品・資料を通して、50年におよぶ氏の活動を一望。60年代の前衛美術はもちろんのこと、70年代の漫画・イラストレーション、80年代のトマソン、路上観察学会の仕事にも大きなスペースを割き、美術分野を中心に、この作家の幅広い活動を展観する。さらに土方巽、唐十郎、足立正生、小野洋子、瀧口修造、林静一、つげ義春、永山則夫、中平卓馬、鈴木志郎康らとの交友を示す作品資料も展示することで、当時のより広い文化状況の一端も紹介する。
【会期】10月28日(火)~12月23日(火・祝)
【会場】千葉市美術館(千葉市中央区中央3-10-8) TEL 043-221-2311
【休館】11月4日(火)、12月1日(月)
【開館】10:00~18:00 (金・土曜は20:00まで、入場はそれぞれ閉館30分前まで)
【料金】一般1000円(800円) 大学生700円(560円) 高校生以下無料
【巡回】大分市美術館:2015年1月7日~2月22日、広島市現代美術館:2015年3月21日~5月31日
【関連リンク】千葉市美術館
■トークショー
①「路上観察学会VSライカ同盟」(事前申込制)
【日時】11月1日(土)15:00~(14:30開場)
【出演】藤森照信+秋山祐徳太子+松田哲夫
【会場】11階講堂
【申込締切】10月22日(水)必着
※聴講無料、定員150名
②「原平さんは弟子の七光り」(事前申込制)
【日時】11月15日(土)14:00~(13:30開場)
【出演】南伸坊+久住昌之+松田哲夫
【会場】11階講堂
【申込締切】11月5日(水)必着
※聴講無料、定員150名
③「ハイレッド・センター、内科画廊とその周辺」(事前申込制)
【日時】12月6日(土)14:00~(13:30開場)
【出演】田名網敬一+谷川晃一+山下裕二
【会場】11階講堂
【申込締切】11月26日(水)必着
※聴講無料、定員150名
■ワークショップ
④「多元宇宙の缶詰」(事前申込制)
【日時】12月21日(日)13:00~(12:30開場)
【監修】奥村雄樹
【ゲスト】永井均(日本大学教授)
【会場】11階講堂
【申込締切】12月10日(水)必着
※参加無料、定員20名
※参加者は紙ラベルの缶詰1個をご持参のこと(詳細は後ほど公開)
■申込方法
往復はがきまたはEメールにて、郵便番号、住所、電話番号、氏名、参加希望のイベント名、参加人数(2名まで申込可)を明記の上、下記まで申し込み。
〒260-8733 千葉市中央区中央3-10-8 千葉市美術館 イベント係
メールの場合は
【トークショー】
akasegawa.event@ccma-net.jp (件名を「赤瀬川展トークショー参加希望」として、希望のトークショーごとに申し込み。)
【ワークショップ】
workshop@ccma-net.jp (件名を「赤瀬川展ワークショップ参加希望」として申し込み。)
※詳細は千葉市美術館HPに掲載