【奈良国立博物館】天皇皇后両陛下傘寿記念 第66回正倉院展

2014年10月23日 15:00 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

「鳥毛立女屛風 第5扇」(北倉44)

奈良の秋を彩る正倉院展、今年は初出陳の宝物6件を含む59件(北倉6件、中倉28件、南倉22件、聖語蔵3件)の宝物が出陳される。天皇皇后両陛下の傘寿を慶祝して、聖武天皇・光明皇后ゆかりの北倉から天皇の身近にあった家具・調度類がまとまって出陳されるなど、華やかな宝物が顔を揃える。

 

大きな見どころは、聖武天皇・光明皇后ゆかりの宝物として、お側を飾った「鳥毛立女屛風」(とりげりつじょのびょうぶ)6扇のうち4扇が15年ぶりに出陳されることだ。なお、残りの2扇は東京国立博物館で開催中の「日本国宝展」(~11月3日)に出陳される。

 

ほかにも、ひじつきである紫檀木画挾軾(きょうしょく)、寝台である御床、大仏開眼会で履かれたと思われる衲御礼履(のうのごらいり)など、聖武天皇の存在が確かに伝わる宝物も見られる。

 

異国情緒溢れる白瑠璃瓶や白石鎮子、仏・菩薩の供養に用いられた献物箱、壮麗な鏡や豪華な装飾に目を奪われそうな楽器などは、天平文化の精髄を今に伝えてくれる。

 

宝物の献納目録を代表する『国家珍宝帳』には多数の武器・武具が記されているが、それらの大半は藤原仲麻呂の乱(764年)に際して出蔵され、ほとんどが宝庫には戻らなかった。これらの武器・武具を彷彿とさせる、中倉伝来の品々がまとまって出陳されるのも今展の話題になりそうだ。

 

 

【会期】 2014年10月24日(金)~11月12日(水)
【会場】 奈良国立博物館(奈良市登大路町50)TEL050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
【休館】 無休
【開館時間】 9:00~18:00 金・土・日曜、祝日(10月24日~26日、10月31日~11月3日、7日~9日)は19時まで、入館は全日閉館30分前まで
【料金】 一般 1,100円 大・高生700円 中・小生400円

 

(左)「紫檀木画挾軾」(北倉48)
(右)「衲御礼履」(南倉66)

 

<関連イベント>
公開講座
【開催日・内容・講師】
①10月25日(土)「鳥毛立女屏風と唐時代絵画」 板倉聖哲氏(東京大学東洋文化研究所教授)
②11月3日(月・祝) 「正倉院宝物の科学的調査」 中村力也氏(宮内庁正倉院事務所保存課保存科学室員)
③11月8日(土) 「正倉院の武器・武具」 岩戸晶子氏(奈良国立博物館学芸部研究員)

 

【時間】 13:30~15:00(13:00より講堂入口で入場券を配布)
【定員】194名
【会場】 奈良国立博物館講堂
【参加費】 無料(「天皇皇后両陛下傘寿記念 第66回 正倉院展」の観覧券、もしくはその半券、国立博物館パスポート等を提示)

 

 

【関連リンク】 天皇皇后両陛下傘寿記念 第66回正倉院展

 


関連記事

その他の記事