【原美術館】開館35周年記念 原美術館コレクション展

2014年10月21日 15:00 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

35年にわたる活動を一望

 

1979 年に現代美術専門館の草分けとして開館した原美術館が、今年12月に35 周年を迎える。これを記念し、約1000点にのぼる所蔵作品の中から、李禹煥ほか1960 年代後半より起こった「もの派」の作家たちから近年活躍の目ざましい若手作家の作品に至るまで約45 点を紹介、日本で花開いた現代美術の諸相と、原美術館の35 年にわたる活動の一端を振り返るコレクション展が開催される。

 

(左)李禹煥《対話》 2012年 © Lee Ufan
(右)李禹煥《対話》 2012年 © Lee Ufan

 

今展での見どころの一つが、李禹煥(リ ウーファン、1936 年韓国生まれ)をはじめとする「もの派」と、その時代の作家による作品群。近年、国際的に再検証が進み、高い評価を得ている「もの派」の理論的支柱とされたのが李禹煥である。原美術館は李禹煥の初期の代表作「線より」(1979 年)、「点より」(1979年)、90 年代の大作「風と共に」(1990年)3 点と立体作品「関係項」(1991 年)を既に収蔵していたが、一昨年、「対話」(2012年)を収蔵。2000年代の秀作が加わることにより、李の制作の流れを俯瞰できるコレクションとなった。今展では、初期作品2点と近作絵画2点、屋外常設立体作品1点の計5点を展示、榎倉康二、菅木志雄、吉田克朗、そして常設の関根伸夫の作品等とあわせて見ることができる。

 

李禹煥《線より No.790323》 1979年 カンヴァスに油彩 181×227㎝ © Lee Ufan

 

また同館では企画展開催を機に収蔵された作品も多く、それらはコレクションの中核をなしている。今展では荒木経惟、安藤正子、加藤泉、操上和美、佐伯洋江、坂田栄一郎、野口里佳、やなぎみわ、米田知子など、展覧会を通して収集された作品を展示し、原美術館における 35 年間の活動の一端を振り返る。

 

出品作家

荒木経惟、安藤正子、榎倉康二、加藤泉、河原温、草間彌生、工藤哲巳、操上和美、佐伯洋江、坂田栄一郎、菅木志雄、杉本博司、ナム ジュン パイク、名和晃平、野口里佳、宮脇愛子、吉田克朗、横尾忠則、米田知子、やなぎみわ、李禹煥ほか

 

草間彌生《自己消滅》 1980年 ミクストメディア サイズ可変 © Yayoi Kusama

 

米田知子《フロイトの眼鏡―ユングのテキストを見るⅠ》1998年 ゼラチンシルバープリント 120×120㎝ © Tomoko Yoneda

 

名和晃平《PixCell-Bambi #2》 2006年 ミクストメディア 31.5×51×20㎝ © Kohei Nawa

 

なお、別館ハラ ミュージアム アーク(群馬県渋川市)においては、「原美術館開館35 周年記念コレクション展 海外交流の軌跡」と題して、ヨーロッパ、北中南米、オセアニア、アジア、アフリカ各地との交流の足跡をコレクションを通して見ることができる。今年度通年展示の草間彌生「ミラールーム(かぼちゃ)」(1991 年)と束芋「真夜中の海」(2006/2008年)や、オラファー エリアソン「Sunspace for Shibukawa」(2009年)ほか屋外彫刻作品もあわせて鑑賞したい。

 

【会期】10月25日(土)~2015年1月12日(月・祝)

【会場】原美術館(東京都品川区北品川4-7-25) TEL 03-3445-0651

【休館】月曜、ただし祝日のとき翌日、年末年始(12月29日~1月5日)

【開館】11:00~17:00(水曜は20:00まで、入館はそれぞれ閉館30分前まで)

【料金】一般1100円 大学・高校生700円 小中学生500円※学期中の土曜は小中高生の入館無料

【関連リンク】原美術館

 


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