建築資料でみる菊竹清訓の活動
生涯を通じてその代表的な論考「代謝建築論」を礎に置いて、精力的な建築活動を行い、2011年の12月に享年83歳で他界した建築家・菊竹清訓。数多く残された建築資料によって、その活動を紹介する展覧会が国立近現代建築資料館で開催される。
菊竹清訓は1928年福岡県生まれ。1950年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1950~52年にかけ竹中工務店と村野・森建築事務所に勤務し、その後53年に独立、菊竹清訓建築研究所(62年に菊竹清訓建築設計事務所に改称)を開設する。60年には川添登や黒川紀章らとともに、建築と都市の新陳代謝による創造を進めようとするメタボリズム・グループを結成、同年東京で行われた世界デザイン会議に際して発行された『METABOLISM/1960』において「メタボリズム」の思想を提示した。
また菊竹は建築の構想から設計が完成するまでの思考過程について“か”(構想)、“かた”(技術)、“かたち”(形態)の三段階方法論を提案したことでも知られている。今展では“かたち”を示す実施設計図や竣工写真だけでなく、“か”、“かた”の思考過程を読み取ることができるスケッチや語録等にも注目し、展示。代表作であるスカイハウス、出雲大社庁の舎、ホテル東光園、都城市民会館、実現しなかったが優秀作品に選ばれた京都の国立国際会館設計競技案などのオリジナル資料を展示し、「メタボリズム」や「か・かた・かたち」の理論の実践を紹介する。
【会期】10月29日(水)~2015年2月1日(日)
【会場】国立近現代建築資料館(東京都文京区湯島4-6-15) TEL 03-3812-3401
【休館】11月1日(土)、12月29日(月)~1月3日(土)
【開館】10:00~16:30
【入場方法】
◎展覧会のみ観覧(平日のみ):事前申込みの上、湯島地方合同庁舎正門より入場。申込み詳細は公式サイトより。入館無料。
◎都立旧岩崎邸庭園と同時観覧:都立旧岩崎邸庭園からも入館可(事前申込み不要)。旧岩崎邸庭園(一般)400円が必要。
【関連リンク】国立近現代建築資料館