【東京藝術大学大学美術館】地下鉄10年を走りぬけて iichikoデザイン30年展

2014年11月12日 17:00 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

河北秀也 東京藝術大学退任記念

 

iichiko B0 ポスター 2013年

 

「人間の幸せという大きな目的のもとに、創造力・構想力を駆使して私たちの周囲に働きかけ、様々な関係を調整する行為がデザインである」と考え、活動を続けてきた河北秀也。今展は河北の東京藝術大学美術学部デザイン科教授の退任を記念しするものであり、その活動を振り返る回顧展となる。

 

河北は1947年福岡県生まれ。71年に東京藝術大学美術学部工芸科ビジュアル・デザイン専攻を卒業。72年に東京地下鉄路線図を手掛け、74年に日本ベリエールアートセンターを設立。74年から82年にかけて地下鉄マナーポスターシリーズを企画デザインした。83年からは河北の代表作ともいえる「いいちこ」の商品企画・パッケージデザイン・テレビCM・ポスター・雑誌広告・出版などすべてのデザインを手掛けている。また教員としては92年から2003年まで東北芸術工科大学デザイン工学部情報デザイン学科教授(99年~03年まで同大理事)、2003年より東京藝術大学で教鞭を執っている。

 

(左)地下鉄マナーポスター「帰らざる傘」1976年
(右)地下鉄マナーポスター「独占者」1976年

 

今展では河北が東京藝術大学在学中に手がけたいちごみるくのパッケージデザインや、前述の東京地下鉄路線図、地下鉄マナーポスターシリーズ、そしてiichikoデザインを中心に約200点を展示。河北の多岐にわたる活動を辿る。

 

苦労したクライアントだったが「地下鉄の河北」と言われて10年、現在「いいちこの河北」と呼ばれるようになって30年、本当に行きたいところへ行き、写真を撮ったり、選んだりしている。特別なようであるが、これが当たり前の姿ではないだろうか。やりたいようにやるのは大変力のいることだし、責任のあることなのである。

 

アーティストであろうがデザイナーであろうが、作家は自分の意志に反するモノなど作れないと思う。そんな事を生業としているデザイナーがいるとすれば、なんと悲しいことだろう。活躍しているアーティストもデザイナーも、クライアントや他人が何を言おうが、気にもせず自分の作りたいものを作っているはずである。

(ステイトメントより抜粋)

 

iichiko Person ポスター 2010年

 

【会期】11月13日(木)~26日(水)

【会場】東京藝術大学大学美術館 本館3階(東京都台東区上野公園12-8) TEL 03-5777-8600

【休館】会期中無休

【開館】10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)

【料金】無料

【関連リンク】東京藝術大学大学美術館

 

 


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