二紀展を中心に活躍する彫刻家・細野稔人(1932年新潟県生まれ、二紀会委員)の個展が、東京・銀座のぎゃらりい サムホールで開催されている。
対象をただそのままに捉えるのではなく、内側にある本質的な魅力に眼差しを送りながら、彫刻としての造形を追求してきた細野。59年より二紀展を中心に発表を重ね、76年に「菊華賞」、92年に「文部科学大臣賞」を受賞。その作品は国内各地の美術館に収蔵されるほか、多くの公共空間に設置され、人々にうるおいをもたらしている。
今展では、訪れた美術館で見かけた帽子のフォルムに惹かれ、その持ち主にモデルになってもらったという「summer」や今年の第68回二紀展に出品した七部身像「夏の終わりに」、背を丸めた姿が愛らしい猫など、「カタ・ヒジのはらない、日々の生活での“いとおしきもの”との対話の中から生まれた」テラコッタ、ブロンズにデッサンを含めた約20点を展示。熟達した造形表現から生み出される、詩的で情感に満ちた細野の世界を楽しみたい。
【会期】 11月10日(月)~15日(土)
【会場】 ぎゃらりい サムホール(東京都中央区銀座7-10-11) TEL 03-3571-8272
【休廊】 無休
【開廊】 11:00~19:00 (最終日17:00まで)
【料金】 無料
【関連リンク】 ぎゃらりい サムホール