金沢が育んだ二人の建築家
金沢が生んだ2人の建築家、谷口吉郎(1904~79)と谷口吉生(1937~)の親子二代の仕事を通じて、日本の近代建築が切り拓いた独自の地平と、世界への広がりを紹介する展覧会が金沢市民芸術村で開催される。
谷口吉郎は藤村記念堂(1947年)や東宮御所(1960年)、ホテルオークラ東京・本館メインロビー(1962年)に代表されるように、伝統的な木造の文化に根差しつつ、どこか華麗な抒情性を湛える静的な建築を目指した。一方、息子の吉生は土門拳記念館(1983年)や丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(1991年)、豊田市美術館(1995年)など洗練された現代的な素材や構法を用いて、人々が歩むにしたがって次々に風景が展開していく、環境との関係性を重視した透明感ある動的な建築を求めてきた。またそのことによって世界に通じる普遍的な建築美学を獲得し、ニューヨーク近代美術館新館(2004年)を実現させた。そしてこれまでの集大成であり、新たな挑戦ともいえる、日本建築の原理を追求した鈴木大拙館(2011年)を完成させた。
今展ではともに明晰な建築思想と精神性を持つ2人の建築の世界を通じて、建築とは何を実現することなのか、その集積としてのより良い都市を築くためには何が大切なのか、広く建築文化と都市環境の意味について考える。
【会期】11月15日(土)~12月21日(日)
【会場】金沢市民芸術村(金沢市大和町1-1) TEL 076-265-8300
【休館】無休
【開館】10:00~18:00(金・土曜のみ20:00まで、入館はそれぞれ閉館30分前まで)
【料金】一般500円 65歳以上400円 高校生以下無料
【関連リンク】[谷口吉郎・谷口吉生]展