作家自身の身体と、他人の足
恵比寿にあるTRAUMARIS|SPACEで片山真理の初個展が開催される。片山は1987年群馬県生まれ。9才のとき先天的な理由で両足を切断し、以来義足で生活をしている稀有な作家だ。その作品世界は、その足と義足との関わりなしには存在し得ず、群馬の実家で生きるための技術や資格を身につけていた頃から内面的・身体的に成長する自分と自身を取り巻く世界との関わりを作品化し続けてきた。
群馬青年ビエンナーレで審査を務めたキュレーターの故・東谷隆司に出会い、制作活動を続けるよう励まされた片山は東京藝術大学大学院に進学。2010年には東谷のキュレーションによる「identity, body it.」(nca)に参加。2011年からは『ハイヒールプロジェクト』をスタートし、歌手やモデルとしてハイヒールを履き、ステージに立ってきた。「アートアワードトーキョー丸の内2012」でグランプリを受賞し、出品作を2012年「自由について2」(TRAUMARIS|SPACE)で再構成して発表。2013年には「KISS THE HEART#2」(伊勢丹新宿店)、「あいちトリエンナーレ2013」には最年少で参加を果たした。
今展では自身の分身ともいえる1体の人形を制作。展示は、作家自身の身体と他人の足を型取りをした石膏像になめし革のパッチワークを施した立体と、それを使用したポートレート写真で構成される。足の石膏像とポートレートは、2014年秋、アーツ前橋の滞在制作で行ったワークショップで制作されたものであり、様々な人の足を型取りし、その足を装着したセルフポートレートとなっている。
【会期】12月 17日(水)~2015年2月15日(日)
【会場】TRAUMARIS|SPACE(東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3階) TEL 03-6408-5522
【休廊】月・火曜、12月28日(日)〜1月6日(火)
【開廊】13:00~24:00
【料金】無料
【関連リンク】TRAUMARIS|SPACE