【東京】 館長 庵野秀明 特撮博物館  ミニチュアで見る昭和平成の技

2012年08月21日 16:22 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

「巨神兵像」竹谷隆之作 ©2012二馬力・G

2003年から毎夏、スタジオジブリの企画協力のもと、アニメーションに関する様々な企画展を開催してきた東京都現代美術館。記念すべき10回目を迎える今年は、「エヴァンゲリオン」シリーズをはじめ、数々の作品でファンを魅了してきた監督・庵野秀明を「館長」として迎え、その創作活動の原点ともいえる「特撮」をテーマとした展覧会「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」を開催している。

 

近年、デジタル技術の目覚しい発展とともに、形を変えてきた「特撮」。最新の映像技術が画面を彩る一方で、特撮の語り部であり、貴重な財産であるミニチュアや小道具などは破棄され、あるいは散逸し、失われつつある。この「特撮」を取り巻く状況を打破し、多くの職人たちがその技と魂を込めたこれらの文化的遺産を後世に確かに伝えていくためのきっかけとなることを本展は期待されている。

 

 

 

海底軍艦轟天号「海底軍艦」(1963年) 撮影用オリジナルを使用し復元 TM&©1963 TOHO CO.,LTD.

会場内には「ゴジラ」や「ウルトラマン」をはじめとする数々の特撮映画・TVシリーズで活躍したミニチュアやデザイン画など様々な資料約500点を一挙に展示。当時の子供たちの夢と好奇心を育み、大人をも巻き込む一大特撮ブームを支えた貴重な小道具の数々が来場者を魅了する。展示中盤では、特撮短編映画「巨神兵東京に現わる」を初公開。スタジオジブリ不朽の名作「風の谷のナウシカ」に登場する「巨神兵」が、特撮映画の怪獣さながら東京の街を破壊する短編で、最新の映像技術と伝統の特撮技術が結集された作品。特撮映画の醍醐味とも言えるビル破壊のシーンやカメラワークによる効果表現など、細部に散りばめられた手の込んだ技術に驚かされると同時に、作り手の「特撮」へのあくなき情熱を感じさせる。

 

映画『巨神兵東京に現わる』撮影セットより

円谷英二により始められ、多くの職人たちの技と魂が込められた作品の数々と「特撮」を愛し、彼らの魂を継承する現代のクリエイターたちによる時代を超えた競演。世代を超えて心に訴えかける「特撮」の世界を楽しんでほしい。

 

【会期】 2012年7月10日(火)~10月8日(月・祝)

【会場】 東京都現代美術館 企画展示室1F、B2F(東京都江東区三好4‐1‐1)

☎03‐5777‐8600(ハローダイヤル)

【休館】 月曜(ただし9/17、9/24、10/1、10/8は開館、9/18(火)は休館)

【開館時間】 10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)

【料金】 一般1,400円 中高生900円 小学生400円

【関連リンク】 展覧会公式サイト

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