風俗画の歴史を一望する初の本格的展覧会 2月21日開幕
来館者数世界一を誇るフランス・パリのルーヴル美術館が国立新美術館で大規模な展覧会「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」を開催する。今展で中心となるのは人々の日常を描いた「風俗画」。日常生活を題材とする風俗画は、制作された社会の状況や世相を反映しているため、その表現は時代・地域によってさまざま。多様性にあふれる風俗画の歴史を包括的に跡付けることを試みた展覧会は、世界でもほとんど例がない。今展では16世紀初頭から19世紀半ばまで、約3世紀半にわたるヨーロッパ風俗画の多彩な展開を、約80点の名画によって紹介。膨大なコレクションを誇るルーヴル美術館だからこそ実現できる史上空前の風俗画展となる。
また今展で最も注目すべき点はフェルメールが描いた《天文学者》の初来日だ。同作は第二次世界大戦中にはヒトラー率いるナチス・ドイツの手に渡るという数奇な運命をたどった作品。ルーヴル美術館に所蔵されるフェルメール作品は、2009年に来日を果たした《レースを編む女》と、《天文学者》のわずか2点であり、《天文学者》はルーヴルを離れることがほとんどない作品のひとつ。それゆえ今回の初来日は貴重な機会となる。
そのほか16世紀イタリア・ヴェネツィア派を主導した巨匠ティツィアーノ、16世紀ネーデルラント絵画を代表するピーテル・ブリューゲル1世やクエンティン・マセイス、17世紀フランスの風俗画を語るうえで欠かせないル・ナン兄弟、17世紀スペイン・バロックの巨匠ムリーリョ、18世紀フランス・ロココ絵画の立役者たるヴァトー、ブーシェ、シャルダン、フラゴナール、そして19世紀レアリスムの旗手コロー、ミレーなど、各国・各時代の「顔」ともいうべき画家たちの珠玉の名画が集結する。
ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄
【会期】2015年2月21日(土)~6月1日(月)
【会場】国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2) TEL 03-5777‐8600(ハローダイヤル)
【休館】毎週火曜日 ただし5月5日(火)、26日(火)は開館
【開館】10:00~18:00 ※金曜日、5月23日(土)、24日(日)、30日(土)、31日(日)は20:00まで、4月25日(土)は22:00まで(入場はそれぞれ閉館の30分前まで)
【料金】一般1,600円(1,400円) 大学生1,200円(1,000円) 高校生800円(600円) ※()は前売料金
【関連リンク】国立新美術館