世界各国の都市が抱える課題、そして今後の都市問題・都市の住まいを考察するシリーズ『都市に住まう』が東京・江東区のギャラリー エー クワッドで開幕する。シリーズ第1回となる今展では「同潤会の16の試み」と題し、関東大震災後に建てられた同潤会アパートと、それが生んだ新たな住宅のかたちにフォーカスする。
同潤会アパートは財団法人同潤会が大正時代末期から昭和時代初期にかけ、東京を中心に建設した鉄筋コンクリート造集合住宅の総称。1926年に建てられた中之郷アパートメントに始まり、1934年の江戸川アパートメントまで16カ所が建設されたが、2013年の上野下アパートメントの解体を最後に現在その全てが姿を消している。これらは明治維新以降、急速に始まった西洋化の波の中で模索されてきた住宅でもあり、当時の都市の“生活スタイルの提案”であったとされている。
今展では当時建てられた16の都市型住宅それぞれがどのようなテーマで何を目指していたのかに注目。開発の歴史や同潤会の図面・模型・写真・映像、また同潤会で実際に使われていた扉などの現物も展示される。同時に一部の空間を原寸で再現し、当時の住宅を疑似体験できるコーナーも設置されるほか、同潤会が手掛け、今も残る江古田木造分譲住宅の佐々木邸についても紹介する。
【会期】2015年3月20日(金)~5月21日(木)
【会場】ギャラリー エー クワッド(東京都江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1F) TEL 03-6660-6011
【休館】土・日曜・祝日
【開館】10:00~18:00(最終日は17:00まで)
【料金】無料
【関連リンク】ギャラリー エー クワッド