10年の長きにわたって江東区・清澄の丸八倉庫でギャラリーを運営してきた小山登美夫ギャラリーが同倉庫の解体にともない千駄ヶ谷へ移転、6月13日より移転後第1弾となる『ジェイムズ・キャッスル展』を日本で初めて開催する。
ジェイムズ・キャッスル(1899~1977)はドローイング、コラージュの立体作品、ハンドメイドの本などを、独学でその一生を通じ制作 したアーティスト。生まれた時から耳が聞こえなかったキャッスルは通常のコミュニケーションの方法をもたず、また正式な美術教育も受けなかったが、70 年近くもの作家人生で類を見ない様々な作品群を残した。ドローイングには暖炉のすすと唾液を混ぜた独自のインクを使用し、尖った棒や丸めた綿などを使って制作。とらえがたさ、鈍さと鋭さ、動き、新鮮さ。素材と関わる際の触覚を生かした ドローイングは、非常に豊かで様々なテクスチャーとトーンを持っているといわれている。 2009 年のニューヨーク・タイムズ紙で美術評論家のロベルタ・スミスによって「構造、動くパーツ、そして見慣れたフォルムの抽象化の理解 において、アレクサンダー・カルダーがワイヤーを扱ったように、キャッスルは卓越したやり方で段ボール紙を使った」と評されたキャッスル。
今展ではタイトルや日付をそ れぞれの作品に残さなかったジェームズ・キャッスルのモノクローム、カラーを含む30点近くの重要なドローイングと、コラージュの立体作品「無題(バスケット)」を展示する。
【会期】2015年6月13日(土)~7月18日(土)
【会場】小山登美夫ギャラリー(東京都渋谷区千駄ヶ谷3-10-11) TEL03-6434-7225
【休廊】日・月曜・祝日
【開廊】11:00~19:00
【料金】無料
【関連リンク】小山登美夫ギャラリー
■オープニングレセプション
6月13日(土) 18:00~20:00