広島市立大学芸術学部油絵専攻の教員と学生、卒業生が2004年から取り組んで来た研究プロジェクト「光の肖像」展が、広島市中区のJMSアステールプラザにて開催中だ。
被爆60周年にあたる2005年に同大学芸術資料館にて第1回展を開催。回を重ねるごとに反響を呼び、2010年には文部科学省・日本学術振興会と国際交流基金および民間の助成金を得て、同大学と英・キングストン大学の共催でロンドン展が開催された。今回は、広島市の被爆70周年記念事業の一環として「日本平和学会春季研究大会」と合同開催。これまでの展示作品の一部と新作10点が展示されている。
同展タイトルにある「光」(THE LIGHT)には、原爆の閃光、絵画が視覚芸術として成り立つときの光、未来への足取りを照らす光、という3つの意味が込められている。肖像画に添えられた履歴解説文は、制作者自身がモデルから話を聞いて書いたもの。広島被爆者と関わり、彼らの肖像を描くことで、風化しつつある被爆経験と喪われつつある絵画芸術の価値と意味を問いかける、率直で意義深い展覧会である。
出品作家は、飴本崇久、有吉宏明、井原信次、今井良枝、大路誠、大畑稔浩、大矢英雄、小川泰弘、奥田悠歩、河野洋子、小勝負恵、五嶋千絵、坂元由利香、佐藤一郎、佐藤麗生、下薗博昭、白石義和、平良円、竹下聡、寺尾佳子、寺林武洋、友清大介、長坂誠、中野明久、中野淳也、永山優子、野間敏博、野村幸恵、橋本健佑、羽戸千香子、廣田真知子、廣戸絵美、松村卓志、三浦明範、三木はるな、向井陽子、向川貴晃、森永昌司、山口俊郎、山本恭平、湯浅ひろみ、行晃司(50音順)。
7月19日(日)13:30より、画家とモデルの対話によるギャラリートークを実施する。
【会期】2015年7月15日(水)~20日(月)
【会場】JMSアステールプラザ(広島市中区加古町4-17)
【TEL】082-244-8000
【開館】10:00~18:00 (最終日は16:00まで)
【料金】無料
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