平家一門の盛衰を語り、13世紀半ば頃までに成立したとされる軍記物語の傑作『平家物語』。「祇園精舎の鐘の声」との冒頭はよく知られ、その物語は今年の大河ドラマでもとりあげられている。
根津美術館では、『平家物語』全編を120枚の扇形の紙に描き、折帖にはった「平家物語画帖」(上中下・3帖)を所蔵。絵巻物のように広げると総長約65mにもなる同作を、前期(9/8~30)、後期(10/2~21)に分けて全場面を展示する。「源平合戦図屏風」など関連作も展示される。
〈解説〉
高倉天皇の寵愛を受けていた小督(こごう)は、清盛から身をかくすために嵯峨野に隠れる。帝の命によって探索に出た源仲国(みなもとのなかくに)は、琴の音をたよりに、ついに小督の住まいを訪ねあてる。
〈解説〉
沖の船に向かう平敦盛を、扇をかざして呼び返す熊谷直実を描く定形の図様。組み敷いてみればわが子と同年輩の美少年ゆえ、これを助けようとするが、押し寄せる味方の手前、熊谷は泣く泣く敦盛の頸をかく。
【会期】 2012年9月8日(土)~10月21日(日)
【会場】 根津美術館(東京都港区南青山6―5―1)☎03-3400-2536
【休館】 月曜(祝日の場合は翌日に振り替え)、10月11日(木)
【開館時間】 10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
【料金】 一般1000円 学生800円 中学生以下無料
【関連リンク】 根津美術館公式ホームページ
特別講演会
講演会1 「平家物語画帖」を楽しむ
9月29日(土) 14:00~15:30
【講師】 松原茂(根津美術館 学芸課長)
【会場】 同館講堂、定員140名(要入館料)
講演会2 『平家物語』と能
10月6日(土) 14:00~15:30
【講師】 門脇幸恵(国立能楽堂 調査資料係 主任)
【会場】 同館講堂、定員140名(要入館料)
申込方法
往復はがきに、希望する講演会(「講演会1」または「講演会2」)、住所、氏名(返信面にも)、電話番号を明記の上、下記まで送付のこと。
〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1 根津美術館「平家物語画帖 特別講演会」係宛
※ 締切 講演会1:9月15日(土) 講演会2 :9月22日(土) ともに当日消印有効
「新美術新聞」2012年9月11日号(第1290号)4面より