福島県会津坂下町出身の斎藤清(1907~97)はサンパウロ・ビエンナーレなどの国際展で受賞を重ね、世界的な評価を高めた近代日本を代表する版画家の一人である。日本の風景や猫、植物などを斬新な造形感覚で表現し、どこか郷愁を誘う作風は今も多くの人々の心を捉えている。
東日本大震災で多大な被害を受けた福島県にある「やないづ町立斎藤清美術館」の全面協力を得て開催する今展は、約120点の版画や水墨画で斎藤清の世界を紹介。ビエンナーレ受賞作「凝視(花)」、故郷「会津」のシリーズなど初期から晩年の作品が勢揃いする。版に色々な素材を貼り付けるコラグラフの変化に富んだ質感、水墨画の深みある線描と色合いなど、多彩な表現を味わいたい。
10月3日(土)14時より、同館の副館長を務めた中村敏子氏による講演会「世界を魅了した版画家斎藤清 闘いつづけたその生涯」を開催。また復興応援企画の一環として、福島県立保原高校美術部が震災後に取り組んできた復興活動「がれきに花を咲かせよう」もあわせて紹介する。
【会期】2015年9月24日(木)~10月24日(土)
【会場】豊川市 桜ヶ丘ミュージアム(愛知県豊川市桜ヶ丘町79-2)
【TEL】0533-85-3775
【TEL】9:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館】月曜、ただし10月12日開館
【料金】一般500円 学生以下無料
【関連リンク】豊川市 桜ヶ丘ミュージアム