笹本恒子は、日本最初の女性報道写真家といわれ、現在も精力的に取材・執筆活動を続けている。彼女の活動は各種メディアにも取り上げられ、報道分野はもとよりそのライフスタイルにも注目が集まっている。
笹本は1914年、東京府荏原郡大崎町大字上大崎字長者丸(現・品川区上大崎)生まれ。画家を志していたことからアルバイトで東京日日新聞(現・毎日新聞)のカットを担当したことがきっかけで、写真協会に誘われて報道写真家となり、日独伊三国同盟の婦人祝賀会やヒトラーユーゲント来日、日米学生会議の記録など、日米開戦前夜の貴重な写真を撮影した。戦後フリーとなり、安保闘争などの事件や岡本太郎、大宅壮一(評論家)といった著名人を取材。その後、一時現場を離れるが、開催された展覧会を機に再び写真家として完全復帰し、小説家・宇野千代や画家・三岸節子、政治家・加藤シヅエなどの明治生まれの女性の撮影をライフワークとした。
今展では、昨年100歳を迎えた笹本氏が長年にわたる取材で撮りためた写真130余点を展示。太平洋戦争へと向かう日本の姿、そして敗戦、戦後復興から平成に至る日本の歩みと、女性の社会的地位が定まっていない時代にカメラを通して奮闘してきた笹本氏の軌跡を振り返る。
【会期】2015年10月16日(金)~11月11日(水)
【会場】O美術館(東京都品川区大崎1-6-2 大崎ニューシティ2号館2階)
【TEL】03-3495-4040
【休館】木曜
【開館】10:00~18:00(金曜は20:00まで)
【料金】一般500円 高校生以下・障害者・70歳以上無料
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