今年97 歳を迎えた堀文子(1918年東京都生まれ)の新作展が開催される。
現在、大磯の自然に囲まれた必要最小限のひと間を終の住処と考え、そこから見える輪廻を繰り返す自然の命を眺める堀。庭にある雑草園に咲く名も知れぬ草花、相模の海から昇る朝日、高麗山に沈む太陽と冬枯れの木々、その姿に見惚れ、時に自身の老いていく身体と重ね合わせ、自身の心境を現役画家として作品に記録している。
今回は、偶然別の作品の裏から発見された「海辺」を60年ぶりに特別展示。同作は、1956年第20回新制作展出品作で、作家自身も60 年の時を経て再会したもの。「海辺」は、デフォルメされた人々が浜辺で楽しげに遊んでいる姿を色鮮やかに描き、従来の日本画では見る事がなかった新たな表現に挑戦した作品。作家が60年前から「新境地を開拓する」ということにどん欲な姿勢を持っていたことが証明される一点だ。
【会期】2015年11月12日(木)~12月2日(水)
【会場】ナカジマアート(東京都中央区銀座5-5-9 アベビル3階)
【TEL】03-3574-6008
【休廊】無休
【開廊】11:00~18:30
【料金】無料
【関連リンク】ナカジマアート