東京・銀座の資生堂ギャラリーで10月23日(金)より「小沢剛展 帰って来たペインターF」が開催される。
戦後70年の節目として日本各地で戦争と美術の関係をテーマにした展覧会が催されている今年、小沢が発表するのは戦争の時代を生きた日本人画家をテーマにした新作だ。2013年、第5回アフリカ開発会議の際に横浜創造都市センターで開催された展覧会で、福島とアフリカの関連から生まれた作品、「帰って来たDr. N」を発表。福島出身の野口英世の生涯をもとに、小沢が生み出した架空の人物「Dr. N」の物語を、インスタレーションとして展示した作品で、インスタレーションを構成する絵画や映像は、野口英世が晩年黄熱病の研究を行った、アフリカ・ガーナの看板画家やミュージシャンたちと小沢が共同制作したものだった。
「帰って来た」シリーズ第2弾となる今展は、戦争中にインドネシアで従軍した架空の日本人画家「ペインターF」の戦前から戦後の生きざまを物語にして、絵画と映像作品を制作。実在した従軍画家たちをリサーチすることから始め、残されている記録や研究をもとに、日本人の一方的な考えでなく、インドネシアの美術史家、ペインター、ミュージシャンらと複眼的な対話を重ね、物語を作るところから作品制作まで全てを彼らと共同で制作したという。
戦争中のように、考え方がひとつの方向に進んでいかざるをえないときの「ペインターF」の身の置き方、また戦後価値観が大きく変わってしまったなかでの「ペインターF」の生き方を、多様な価値観のなかで生きる現代の人々に照射する。
【会期】2015年10月23日(金)~12月27日(日)
【会場】資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階)
【TEL】03-3572-3901
【開館】11:00~19:00(日曜・祝日は18:00まで)
【休館】月曜
【料金】無料
【関連リンク】資生堂ギャラリー
■対談:小沢剛×小栗康平(映画「FOUJITA」監督・製作・脚本)
モデレーター:林洋子(美術史研究、文化庁芸術文化調査官)
【日時】11月3日(火・祝) 18:00~20:00
【会場】花椿ホール(東京都中央区銀座7-5-5 資生堂銀座ビル3階)
【定員】200名
【料金】無料(申込み多数の場合は抽選)
■対談:小沢剛×Leonhard Bartolomeus(インディペンデント・キュレーター、本展インドネシアコーディネーター)
【日時】12月6日(日) 14:00~16:00
【会場】ワードホール(東京銀座資生堂ビル9階)
【定員】60名
【料金】無料(申込み多数の場合は抽選)
※日英逐次通訳付き
申込みは全て資生堂ギャラリーHPより可能。
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