60年にわたり多彩な分野で活動を続けてきたオノ・ヨーコが日本では4年ぶりとなる個展を11月8日(日)より東京都現代美術館で開催する。
オノは1933年東京都生まれ。幼年時代を東京、ニューヨーク、サンフランシスコで過ごし、開戦前に帰国。1952年に学習院大学哲学科した後、家族とニューヨークに転居、サラ・ローレンス・カレッジで詩と音楽を学んだ。50年代末にはフルクサスとともに活動を行い、62年に帰国。64年に東京・草月会館ホールで、「カット・ピース」「バッグ・ピース」等を発表後、米国へと渡る。その後69年にはジョン・レノンと連名で、東京など世界の12の都市に「War Is Over!」のポスター、看板を掲出し、80年にジョン・レノンとの共作アルバム「DOUBLE FANTASY」を発表。2000年代に入るとニューヨーク、ジャパン・ソサエティで個展「Yes Yoko Ono」を開催(その後北米、韓国、日本を巡回)、09年にはヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した。また今年に入ってからはニューヨーク近代美術館で初となる個展「Yoko Ono: One Woman Show, 1960-1971」を開催するなど、その勢いはとどまることを知らない。
今展は、これまで主に戦後アメリカ美術のなかで語られてきたオノの活動を、出身地である東京という都市の文脈で再考するもの。会場では1950~60年代の米国の音楽動向に触れる遥か前、アーティストとしての活動を開始するまでのオノを育んだものや初期の活動を紹介。またオノの代表作として1964年に発行されたコンセプチュアル・アートの歴史の中でも重要な本『グレープフルーツ』の膨大なタイプ原稿や、1962年の草月ホールで展示された指示絵画を複製絵媒体に変換し、コンセプチュアルな性格を進めたものなど、日本初公開の作品を展覧する。
独自の詩のあり方を核とする、コンセプチュアル・アートの先駆者として、社会のシリアスな課題を、ユーモアに溢れたアプローチで多くの人に向けて発信してきたオノ。戦前に既に充分に国際化していた東京を起点に育まれたその軌跡を、今日的視点から辿る。
【会期】2015年11月8日(日)~2016年2月14日(日)
【会場】東京都現代美術館(東京都江東区三好4-1-1)
【TEL】03-5777-8600
【休館】月曜(11月23日、2016年1月11日は開館)、11月24日、12月28日~2016年1月1日、1月12日
【開館】10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
【料金】一般1200円 大学生・65歳以上900円 中高生700円 小学生以下無料
【関連リンク】東京都現代美術館
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