写実の根幹は揺らぐことなく、伸びやかで清冽な精神性が高く評価されてきた彫刻家・能島征二(1941年東京都生まれ、日本藝術院会員)。水戸芸術館で開催された「能島征二の軌跡展」(2010年)などを挟みつつ、東京では3年ぶりとなる個展が日本橋三越で開催される。
能島は日展、日彫展を主な発表の場に、文部大臣賞など名だたる賞を受賞してきた。現在は日展常務理事、日本彫刻会常務理事、茨城県美術展覧会会長と要職を兼ねる。美術の普及に尽力しつつ、作家としては2005年に日本藝術院賞を受賞、翌年には同会員となり活躍してきた。
今展ではブロンズの素材にこだわり、半世紀にわたって具象彫刻の王道を歩む能島の魅力が凝縮される。出品は新作、近作を中心に若き日の貴重な未発表作も含む約30点。人間と自然が調和する大きなスケール感にも抱かれた、瑞々しくも熟練した作品を堪能したい。
【会期】 2012年9月12日(水)~18日(火)
【会場】 日本橋三越本店本館6階美術特選画廊(東京都中央区日本橋室町1-4-1)
☎03-3241-3311
【休廊】 無休
【開廊時間】 10:00~19:00(最終日は16:00まで)
【料金】 無料
「新美術新聞」2012年9月11日号(第1290号)1面より