初の二人展、郷里で生まれた30点が出品
「漆」を重要な素材とする彫刻家、池田政治と池田カオルが、二人展「地・人・風」を日本橋三越本店にて開催する。
ともに群馬県前橋市の出身で、制作の歩みはほぼ50年。室内空間に適したものからパブリックアートまで幅広い活動を送る池田政治と、中国・唐の時代から伝わる技法「乾漆」に取り組む池田カオル。初の二人展でどのような共鳴が起きるのか期待は高まる。
池田政治(1945年生まれ)は金沢美術工芸大学卒業、東京藝術大学大学院修了。77年の初個展「木質と量塊への志向」(みゆき画廊)以降、ギャラリーせいほう、日本橋髙島屋、日本橋三越本店などでの個展を軸に活動してきた。群馬県庁舎、多摩動物公園、東名高速・足柄サービスエリアなどパブリックアートも数多い。現在は東京藝術大学名誉教授、東京工科大学デザイン学部長。
池田カオル(1946年生まれ)は、東京藝術大学、同大大学院の彫刻科に学び、大学院在学中より二科展で特選になるなど早くから評価が高い。日動画廊や全国百貨店での個展・グループ展を中心に活躍し、主な受賞に第20回昭和会展林武賞(85年)、第8回倉吉・緑の彫刻賞(2009年)など。美術館、公共施設への作品収蔵のほか、寺院への薬師如来像の収蔵など多彩な活躍をする。
今展では、池田政治が拭き漆やアルミ、ブロンズの新作を、池田カオルは乾漆の新作を出品。郷里・前橋の地で生まれた計30点ほどの新作が展示される。
有機的・幾何学的なフォルムに手仕事のぬくもりが宿る池田政治。池田カオルは、たしかな存在感に、瑞々しさと軽やかさが同居する。
同時代を生きる美術家同士であり、伴侶でもある二人の新作群に、どのような「風」を感じることができるか。春の訪れとも響きあう、作品の数々を楽しみたい。
【会期】 2016年3月30日(水)~4月5日(火)
【会場】 日本橋三越本店本館6階美術特選画廊(東京都中央区日本橋室町1-4-1)
【TEL】 03-3241―3311
【休廊】 会期中無休
【開廊】 10:00~19:00(3月31日まで)、10:30~19:30(4月1日より)、最終日のみ17:00まで
【料金】 無料
【関連記事】