横尾忠則の全版画を一覧できる大回顧展「横尾忠則 HANGA JUNGLE」が、4月22日より町田市立国際版画美術館で開催される。
1960年代にアングラ演劇のポスターを制作して以来、日本文化をリードするデザイナーとして注目を浴びる横尾。彼はその一方で版画にも積極的に取り組み、1982年に「画家宣言」を発した後も、ペインティングと併行して版画の枠を超えた作品を作り続けている。
今展のキーワードは「HANGA」と「JUNGLE」。「HANGA」という英単語には、伝統的な「版画」とは異なる、横尾ならではの「超版画」という意味が含まれている。また「JUNGLE」は、その表現の多様性とジャングルのイメージを重ね合わせたキーワード。森羅万象をモチーフとした作品群で壁面が埋め尽くされ、まるで原始のジャングルのような空間が広がる。1960年代から最新作までのほぼ全版画に相当する約230点と、これまでポスターと見なされてきた「版画」作品約20点を出品。直感と衝動を重視する横尾の創作姿勢の今日的な意義や、現代版画の未来を探る。
会期中には横尾本人が登場するイベントも予定。詳細は後日同館HPにて発表される。また展覧会公式カタログとして『横尾忠則全版画集(仮)』が発行予定。横尾は自身のTwitterで「あとにも先きにも、版画作品集はこれが最後」と語っている。こちらもあわせて注目したい。
今度4月から町田市立国際版画美術館で全版画展を開催します。今はそのカタログ(国書刊行会出版)に入る写真資料などの作業を美術館や出版社によって進行中。まあ、あとにも先きにも、版画作品集はこれが最後。次は30年後。
— 横尾忠則 (@tadanoriyokoo) 2017年2月8日
【展覧会】横尾忠則 HANGA JUNGLE
【会期】2017年4月22日(土)~6月18日(日)
【会場】町田市立国際版画美術館(東京都町田市原町田4-28-1)
【TEL】042-726-2771
【休館】月曜
【開館】火~金曜 10:00~17:00(入場は16:30まで)、土・日曜・祝日 10:00~17:30(入場は17:00まで)
【料金】一般800円 大・高校生・65歳以上400円 中学生以下無料 ※4月22日(展覧会初日)は入場無料
【巡回】横尾忠則現代美術館(兵庫県神戸市) 2017年9月9日(土)~12月24日(日)
【関連イベント】
■講演会(演題未定)
講師:椹木野衣(美術批評家、多摩美術大学教授)
日時:4月23日(日)14:00~15:30
会場:1階講堂
料金:無料(要展覧会チケット)、定員150名
※混雑時は入場制限の場合あり。手話通訳付。
【関連リンク】町田市立国際版画美術館