【日本橋】 傘寿記念 上村淳之展

2012年09月24日 17:08 カテゴリ:創画会

 

「鳩舎」 1964年 209.0×148.5㎝ 松伯美術館蔵

 60年の画業を振り返って

 

日本画家・上村淳之(1933年京都府生まれ)の傘寿を記念し、その画業を紹介する展覧会が開催されている。

 

上村は、京都市立美術大学在学中の1956年、第20回新制作協会展に初入選して注目を集め、卒業後は同展や創画展を中心に作品を発表。81年に創画会会員、2002年に日本藝術院会員となる。一方で、後進の育成にも努め、04年まで母校の京都市立芸術大学副学長を務めた。

 

約260種、1600羽を自宅で飼育するなど愛鳥家としても名高い上村だが、花鳥画とは「対象の再現ではなく、自然との対話の中で夢想した真・善・美の世界を自然の姿を借りて具現化するもの」だと語る。上村の描く花鳥画は、伝統的な様式美を継承しながらも、自然の丹念な観察に基づき、硬質な造形表現へと到達している。今展は代表作から最新作まで、自選の作品50余点による展観となる。

 

「水辺の四季」 2009年 90.0×360㎝

 

会場風景

髙島屋日本橋店の会場では、各作品に対して作家自身による作品解説や、上村家で飼育している鳥の生態などをパネルで展示している。特に作品解説には、上村が題材とした鳥の種類や特徴、また各々のモチーフにこめた思いなどが生き生きと語られていて興味深い。わかりやすい言葉で書かれているので、親子での鑑賞もおすすめだ。

 

 

【会期】 2012年9月19日(水)~10月1日(月)

【会場】 髙島屋日本橋店8階ホール(東京都中央区日本橋2-4-1)

☎03-3211-4111

【休廊】 無休 【開廊時間】 10:00~20:00 最終日のみ18:00まで (入場は閉廊30分前まで)

【料金】 一般800円 大高生600円 中学生以下無料

【巡回】 2013年3月20日(水・祝)~25日(月) 髙島屋横浜店、4月3日(水)~15日(月) 髙島屋京都店

 

「新美術新聞」2012年9月21日号(第1291号)4面より

 


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