次代の美術界を担う新進気鋭の日本画家を表彰する「東山魁夷記念 日経日本画大賞展」の第7回大賞に浅見貴子(あざみ・たかこ)の《桜木影向図(さくらぎようごうず)》が選ばれた。
浅見貴子は1964年埼玉県秩父市生まれ。多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業。同大学研究生を経て、中学校や高校の美術の非常勤講師をしながら個展やグループ展で発表を続け、2007年に文化庁新進芸術家海外研修員としてニューヨークに滞在。2009年にはフリーマンフェローシップの助成によりVermont Studio Centerで滞在制作を行い、またポーラ美術振興財団の国際交流助成を受けてニューヨークで個展を開催している。紙の裏から墨で描くという独自の技法によって、偶然性を伴う抽象的な画面を展開して評価を受け、日経日本画大賞にはこれまで3回入選。2015年の第6回では選考委員特別賞を受賞した。
今回は全国の美術館学芸員、美術評論家などが推薦した55作品より24作品が入選。大賞候補作として浅見、谷保玲奈、青木香保里、森 美樹の4人の作品が選ばれ、墨と和紙を中心としたシンプルな素材で豊かな空間を表現した浅見の《桜木影向図》が大賞に決定した。「従来のやり方にいっそう磨きがかけられたのみならず、かつては画面いっぱいを占めていた主要モティーフを中央に配して左右に大きく空間を広げ、全面に清冽な気韻を響かせた優れた構成力が高く評価された」(高階選考委員長)(4月23日付 日本経済新聞より)。
選考委員は高階秀爾(委員長・大原美術館館長)、島田康寛(美術評論家)、草薙奈津子(平塚市美術館館長)、尾﨑正明(茨城県近代美術館館長)、菊屋吉生(山口大学教授)、加藤弘子(東京都現代美術館企画係長)の6氏。
第7回東山魁夷記念 日経日本画大賞展は5月18日より東京・上野の上野の森美術館にて開催される。入選作家は以下。
青木香保里 蒼野甘夏 浅野友理子 浅見貴子 荒井 経 泉 桐子 イトウマリ 及川聡子 加藤良造 金子富之 木島孝文 佐藤真美 椎名 絢 田中 武 谷保玲奈 長澤耕平 中澤美和 伴戸玲伊子 土方朋子 松平莉奈 森 美樹 山本太郎 山本雄教 吉賀あさみ
【展覧会】第7回東山魁夷記念 日経日本画大賞展
【会期】2018年5月18日(金)~28日(月)
【会場】上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
【開館】10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)
【料金】一般500円 大学生300円 高校生以下無料
【関連リンク】上野の森美術館