2011年「第5回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展」で大賞を受賞、今年は「第5回東山魁夷記念 日経日本画大賞展」に入選するなど、近年高い評価を得ている日本画家・田中武(1982年福岡県出身)。現在、待望の初個展が開催されている。
田中の作品のテーマは“欲望”である。悟りを開いた阿羅漢を表現した「十六羅漢図」になぞらえ、《十六恥漢図》と題した120号大のシリーズをライフワークとして追求している。狩野派の粉本からの引用と、飲食や美容にふける現代の女性像を組み合わせた本作は、“恥”をさらけ出した欲望のあり様を表象している。
今展では、この《十六恥漢図》シリーズの中から5作品と、動物や群像をモノクロームで描いたシリーズを発表している。会場では、展示スペースを作家自ら制作した襖で仕切り、2つのシリーズを異なる演出の中でみせている。作家の実験精神に満ちた展示空間を是非とも体感してほしい。
【会期】 2012年9月19日(水)~10月8日(月)
【会場】 髙島屋日本橋店6階美術画廊(東京都中央区日本橋2-4-1)
【開廊時間】 10:00~20:00 【休廊】 無休
☎03-3211-4111 【料金】 無料
<トークイベント>
小金沢智(世田谷美術館学芸員)×佐竹龍蔵(美術家)×田中武
9月30日(日)15:00~ 聴講無料、予約不要
「新美術新聞」2012年10月1日号(第1292号)2面より