ヴァンジ彫刻庭園美術館での個展やタカシマヤ美術賞など、評価の高まる彫刻家・棚田康司(1968年兵庫県生まれ)。東京の美術館としては初の個展が開かれている。
棚田は東京藝術大学大学院で深井隆に師事。今展では大学院修了作品から新作までの木彫と、スケッチなど約40点が展示される。
初期は彫りあとも荒々しく、不安や緊張を想起する。2001年のベルリン滞在をきっかけに、無防備で儚い、少年や少女の像が中心となった。一貫するのは「人間」を彫るということ。近作は傷つきやすい繊細さをまといつつ、立ち上がり、空を見上げ、希望を思わす作風となってきた。
展示壁を取り払い生まれた、繊細かつダイナミックな空間は必見。20年にわたる作品から、変化と深化を一望できる。
【会期】 2012年9月16日(日)~11月25日(日)
【会場】 練馬区立美術館(東京都練馬区貫井1―36―16)
☎03-3577-1821
【休館】 月曜
【料金】 一般500円 高大学生及び65~74歳300円 中学生以下及び75歳以上無料
【巡回】 2013年4月6日(土)~5月26日(日)伊丹市立美術館
【関連リンク】 練馬区立美術館 公式ホームページ
特別講演会「日本の木彫像」
11月17日(土) 14:30~16:00
【講師】 武笠朗氏(実践女子大学教授)
【料金】 要展覧会チケット
※事前申込制、申込締切 11月2日(金)必着。対象は中学生以上、定員70名。
「新美術新聞」2012年10月21日号(第1294号)3面より