光のスペクトルをもとにした表現から、「虹のアーティスト」と呼ばれる靉嘔(1931年茨城県生まれ)。半世紀以上にわたる前衛芸術活動を振り返る展覧会が、広島市現代美術館で開かれている。
靉嘔は、美術団体や既存の権威を批判し結成されたデモクラート美術家協会に参加。1958年に渡米し「フルクサス」へ加わった。数多くの平面や立体作品とともに、「イヴェント」と呼ばれるパフォーマンスや周囲の環境をとりこむインスタレーション「エンヴァイラメント」などを発表し、国際的に評価されてきたアーティストである。
今展では代表的な虹のシリーズをはじめ、体験型の「レインボー・エンヴァイラメントNo.7」など多彩な作品を紹介。広島市現代美術館から制作委託され、「ヒロシマ」をテーマにつくられた「8:15 A.M.」も見どころのひとつとなる。
12月15日(土)には伝説のフルクサス・イヴェント「虹の晩餐会」を予定。コース料理、ワインを囲む晩餐会(バンクェット)で、当時のスコア(指示書)に基づきパフォーマンスを行う。会場は広島市中区の「45キャラントサンク」。参加費4,800円。要事前予約。申込締切は12月1日(土)。詳細は下記の広島市現代美術館ホームページへ。
【会期】 2012年11月3日(土)~2013年1月14日(月・祝)
【会場】 広島市現代美術館(広島市南区比治山公園1-1)
☎082-264-1121
【休館】 月曜(ただし12月24日、1月14日開館)、12月25日、27日~2013年1月1日
【開館時間】 10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)
【料金】 一般1000円 大学生700円 高校生500円 小中学生・65歳以上無料
【関連リンク】 広島市現代美術館 公式ホームページ
講演会「虹のかなたに行くまえに―デュシャン、フルクサス、靉嘔―」
11月10日(土)14:00~15:30
【講師】 平芳幸浩(京都工芸繊維大学准教授)
【会場】 同館 ミュージアムスタジオ
※定員80名、参加無料、当日先着