絵画への志を胸に高校の美術教師を辞し、抑制のきいた色調の中、「白」が際立つ女性像を描いてきた杉山吉伸(1937年栃木県生まれ、日展評議員、光風会理事)。日展、光風会展、個展での発表を継続、郷里での文化推進にも力を注ぎ、栃木県文化協会理事なども歴任する洋画家である。
三越では初の個展となる今展。「滅びの美学」とも形容したい、時の移ろいや世の儚さを思わす画風は、独自の境地を見せる。出品は近年の大作や茶臼岳を描いた作品、素描など約40点。重厚な画肌から、画家の心象も汲みとりたい。
【会期】 2012年11月14日(水)~20日(火)
【会場】日本橋三越本店本館6階美術特選画廊(東京都中央区日本橋室町1-4-1)
☎03-3241-3311
【休廊】 会期中無休 【料金】 無料
「新美術新聞」2012年11月11日号(第1296号)4面より