【訃報】 松本哲男氏 - 日本美術院理事・東北芸術工科大学名誉学長

2012年11月30日 10:21 カテゴリ:日本美術院

 

松本哲男氏

世界三大瀑布シリーズをはじめ、スケールの大きな作風で知られた日本画家・松本哲男氏(日本美術院理事)が、11月15日に金沢市内の病院で呼吸不全のために亡くなった。享年69歳。

 

1943年栃木県佐野市生まれ。高校卒業後、日本画家・塚原哲夫氏に師事。宇都宮大学を卒業後、高校の美術教師をつとめながら、院展に出品を続けた。現場での制作にこだわり、初期から自然をダイナミックにとらえた大作を数多く生み出してきた。74年、76年と日本美術院賞・大観賞を受賞。83年には院展同人に推挙された。その後も文部大臣賞、内閣総理大臣賞を受賞。84年には芸術選奨文部大臣新人賞に輝いている。

 

40年をこす画業で金字塔と呼べるのが、10年をかけた『三大瀑布』シリーズ。「イグアス」(佐久市立近代美術館蔵)など、圧倒的な迫力で見る者を包み、飛沫や轟音までがよみがえるような力作であった。完成後の2005年、記念展が宇都宮美術館で開催された。

 

教育者としては宇都宮文星短期大学日本画特任教授を経て、93年に東北芸術工科大学助教授に就任(96年に教授)。06年から11年まで同大学長をつとめ、昨年4月から同大名誉学長であった。

 

「新美術新聞」2012年12月1日号(第1298号)3面より

 


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