日本藝術院(三浦朱門院長)は10月26日に会員候補者選考委員会を開催し、会員総会の承認を得て、11月19日に8名の日本藝術院会員候補者を決定した。第一部美術は以下の4名となる。
日本画の山﨑隆夫氏は1940年新潟県生まれ。日展理事、京都市立芸術大学名誉教授。2011年に恩賜賞・日本藝術院賞。叙情性豊かな雄大な自然を描く現代花鳥画の代表的存在にして、近年は新たな表現に挑む点などが推薦理由。長年の後進育成も注目に値するとされる。
洋画の池口史子氏は1943年大連市生まれ。立軌会同人。東京藝術大学大学院修了、山口薫に師事。2012年に恩賜賞・日本藝術院賞。推薦理由は、自然に対して熱意と畏敬の念をもって制作し、緊張感あふれ、詩情に包まれた独特な世界を描き出す点について。渋谷区立松濤美術館、池田20世紀美術館など個展活動も挙げられた。
彫塑の神戸峰男氏は1944年岐阜県生まれ。日展理事、日本彫刻会委員長、名古屋芸術大学美術学部学部長・大学院美術研究科科長。2008年に日本藝術院賞。40年余り人物像を中心に具象彫刻を制作し、繰り返し中国を訪れ、東洋的な美の源流を探究してきた。名古屋芸術大学での長年の指導も推薦理由。
書の井茂圭洞氏は1936年神戸市生まれ。日展理事、読売書法会常任総務、京都教育大学名誉教授。2003年に日本藝術院賞。中国の古典書から日本の書、三筆・三跡を狩猟し、独創性豊かな書風を確立。伝統性と現代性をあわせもつと高く評価され、京都教育大学での後進育成も推薦理由とされる。
今後、日本藝術院長から文部科学大臣に上申し、12月15日付けをもって発令。会員総数は112名となる。
「新美術新聞」2012年12月11・21日号(第1299号)7面より
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