【展覧会】 「FENDI – UN ART AUTRE」展が世界に先駆けて東京で開催。4月3日より

2013年04月03日 15:37 カテゴリ:最新のニュース

 

イタリアを代表するラグジュアリーブランド「フェンディ」が、創業以来受け継がれてきたアートとクラフトを集大成し、デザインの美しさとイタリアの伝統的 なクラフツマンシップのもつ世界観をより多くの人々に紹介することを目的とする美術展「FENDI – UN ART AUTRE ~フェンディ もうひとつのアート、クリエイションとイノベーションの軌跡~」が4月3日(水)より、東京藝術大学大学美術館で開催されている。

 

 

本展は、1970年~2013年までに制作された代表作24点と実際に使用されたデザインサンプルとなる構図タブレットやスケッチなどの貴重なアーカイブ、そして随所に用意されたタッチスクリーンやタブレットPCといった体験型の展示により1925年の創業以来およそ90年もの間、一貫した芸術と研究の軌跡を再現してきたフェンディの歴史を紹介するもので、東京会場を皮切りに世界を巡回する。これまでも世界中でクラフツマンシップの支援やアートとのコラボレートを行ってきたフェンディは、会期中、東京藝術大学の学生とのワークショップを開催。両者は今後も長期的な取り組みを行っていく予定となっている。

 

 

展示解説を行うエマニュエラ・ノビーレ・ミーノ氏(左)

4月2日(火)に行われた報道内覧会では、美術史家・美術評論家としてイタリア国内外で活躍するエマニュエラ・ノビーレ・ミーノ氏(本展の監修を担当)が展示解説を行った。メインフロアに入ってまず目に入るのは、左右対称に並べられた磨き上げられ、光を放つ半円柱形のショーケース。その中には1970年から2013年までに制作された代表的なコレクションウェアがおさめられおり、フェンディの精緻な手仕事により創造された世界最高峰のファー・クリエイションを間近に楽しむことができる。ショーケースの円柱や、床面に走る幾何学的な光のインスタレーションは、フェンディの歴史の中で繰り返し採用されてきた円、四角、ひし型などの幾何学模様へのオマージュであるとともに、来場者をフェンディの華麗で魅惑的な世界へと引き込む舞台装置としての役割を果たす。壁面にはファーの構図タブレットとともにタッチパネルのモニターが備えられており、まさに「伝統」と「革新」が共存するフェンディの世界観を表す空間に仕上がっている。

 

 

常駐するフェンディの職人がファーの工程を再現する

続くセクションは、フェンディのクリエイティビティが集約された場所と言えるだろう。フェンディ製品の特徴であるクラフツマンシップ、高い芸術性、そして職人文化の価値に焦点をあて、壁面には厳選されたドローイングボード、キャンバス、型紙、工具などを並べて展示。中心の大きなテーブルは職人の作業場を再現したもので、会期中に常駐する職人の卓抜した技を目の当たりにすることができる。また、フェンディに飛躍的な革新をもたらしたデザイナーのカール・ラガーフェルドをはじめ同メゾンに関わる人々のドキュメンタリー・フィルムが上映されており、彼らのインタビューはこの美術展について、またイタリアの伝統的な革製品の技術、特にファー製品の創造性、文化的価値により深い理解をもたらしてくれるだろう。

 

会期は4月29日(月・祝)までと短いが、世界に誇るビッグメゾン・フェンディによる空間づくりは圧巻の一言。創業以来受け継がれてきた伝統、比類なきクラフツマンシップ、絶えざる物づくりへの情熱が詰め込まれたこの美術展で、フェンディのアートの世界を五感で味わっていただきたい。

 

 

■「FENDI-UN ART AUTRE ~フェンディ もうひとつのアート、クリエイションとイノベーションの軌跡~」

【会期】 2013年4月3日(水)~29日(月・祝)
【会場】 東京藝術大学大学美術館 展示室3、4 (東京都台東区上野公園12-8)
☎03-5777-8600 (ハローダイヤル)

【休館】 月曜ただし4月29日(月・祝)は開館
【開館時間】 10:00~17:00(入館は16:30まで)
【料金】 一般1,200円 高校・大学生700円 中学生以下は無料
【関連リンク】 東京藝術大学大学美術館公式HP

 

 


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