【受賞】 日本藝術院賞に槇文彦、能島和明、佐藤哲、寺池静人の各氏

2013年04月09日 15:42 カテゴリ:最新のニュース

 

平成24年度 日本藝術院賞(美術4氏)決定

恩賜賞に槇文彦氏、能島和明氏、佐藤哲氏、寺池静人氏が受賞

 

3月19日、日本藝術院(三浦朱門院長)は、2012(平成24)年度の日本藝術院賞の授賞者8名を発表した。第1部(美術)では建築の槇文彦氏に恩賜賞が贈られたほか、日本画の能島和明氏、洋画の佐藤哲氏、工芸の寺池静人氏が受賞。授賞式は7月8日に東京・上野の日本藝術院会館にて行われる。

 

 

槇文彦氏

槇文彦氏

建築の槇文彦(まき・ふみひこ)氏は1928年東京生まれ。東京大学工学部を卒業後、米国のハーバード大学大学院を修了。79年から89年まで東京大学教授をつとめた。毎日芸術賞、高松宮殿下世界文化賞建築部門を受賞し、海外においてもプリッツカー賞など高く評価され、日本建築界をけん引する重要な建築家である。授賞対象は「名古屋大学豊田講堂」(改修後、平成20年発表)。設計者存命中における最初の登録有形文化財指定は特筆すべきことと評価された。

 

 

 

能島和明氏

能島和明氏

日本画の能島和明(のうじま・かずあき)氏は44年東京生まれ。奥田元宋に師事し、多摩美術大学を卒業。日展、日春展を発表の軸として、63年の日展初入選以降、日展特選や会員賞を重ね、2009年に日展文部科学大臣賞。近年テーマとする黒川能の神秘的で幽玄な世界の表出は高く評価され、現在は日展評議員、日春展運営委員をつとめる。授賞対象は第44回日展への出品作「鐘巻(黒川能)」。面・衣装ともにそれ自体が芸術性豊かな対象を、見事にとらえているというのが授賞理由となった。

 

 

佐藤哲氏

佐藤哲氏

洋画の佐藤哲(さとう・てつ)氏は44年大分県生まれ。大分大学学芸学部美術科を卒業。75年に日展へ初入選し、2009年に日展文部科学大臣賞、2002年より日展評議員。東光展では05年に文部科学大臣賞、11年より東光会理事長をつとめる。授賞対象は第44回日展出品作「夏の終りに」。ガーナ人の父と日本人の母の間に生まれた姉妹を描き、丁寧な眼差しからの現実主義とともに、一抹の詩情が重なり合った、ふくよかな作品であると評価された。

 

 

寺池静人氏

寺池静人氏

工芸の寺池静人(てらいけ・しずと)氏は33年京都府生まれ。京都市立日吉ヶ丘高等学校(旧・美術工芸学校)彫刻科を卒業。楠部彌弌氏に師事し、日展、日本新工芸展を主な発表の場としてきた。楠部氏の特殊な技法を継承し、繊細にして大らかな作風を確立。55年日展初入選以後、特選、会員賞を重ね、現在は日展評議員。また2012年より日本新工芸家連盟理事長。授賞対象は第44回日展出品作の「富貴想」。牡丹花を浮き上がらせる幻妙の世界が表出されたと評価された。

 

 

「新美術新聞」2013年4月1日号(第1308号)3面より

 

【関連リンク】 日本藝術院

 


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