第13期文化審議会第1回総会 開催
審議会委員20名決まる 会長代理には青柳正規氏
文部科学大臣または文化庁長官の諮問に応じ、文化の振興及び国際文化交流の振興に関する重要事項を調査審議する文化審議会。その第13期第1回の総会(第59回)が3月26日、下村博文・文部科学大臣、近藤誠一・文化庁長官も出席のうえ文部科学省で開かれ、審議会委員20名の任命が決まった。その場の互選により宮田亮平氏(東京藝術大学長)が審議会会長に再任された。
この日の議事では第13期審議会委員20名が任命され、委員の互選によって宮田亮平氏が会長、その会長指名により青柳氏の会長代理が決まった。前期に続く再任。
国語分科会、著作権分科会、文化財分科会、文化功労者分科会の4つが設置された。また文化審議会には文化政策部会、美術品補償制度部会、世界文化遺産・無形文化遺産部会が設置された。各分科会への委員の正委員、臨時委員、専門委員などの分属(所属)も決定した。ただし文化功労者選考分科会分属の委員は除く。
今期はテレビの文化番組で活躍、各種シンポジウムでも発言する女優、紺野美沙子氏が新任委員として抜擢されたことは、審議会に清新なイメージを与え好印象だ。
先の「文化芸術の振興に関する基本的な方針」(第3次基本方針)は、文化審議会の答申を受け、平成23~27年度およそ5年間のわが国の文化行政の戦略を指し示すものだ。25年度予算では、2年を経た東日本大震災の復旧復興関連の予算・施策は文化芸術面により力点をおいて盛り込まれた点がポイントだろう。
近藤文化庁長官は「この2年間では、文化財や文化芸術が復興の過程で持つ力が、様々な形で認識されるようになりました。それにより建築家を含む多くのアーチストが自信を回復し、今でも頻繁に現地に赴いて様々な支援活動をなさっています。断片的報道を超えて、その全容を知ることは不可能ですが、それらの方々の御貢献は力強い限りです…」(『東日本大震災2周年にあたって・平成25年3月11日』より)と寄稿、文化芸術の持つ力を改めて強調した。
任命された審議会委員は次の通り。(○は新任)
青柳正規 独立行政法人国立美術館理事長、国立西洋美術館長
石上英一 大学共同利用機関法人人間文化研究機構理事
伊東祐郎 東京外国語大学教授、留学生日本語教育センター長(○)
岩澤忠彦 財団法人NHK放送研究センター理事・日本語センター長
内田伸子 筑波大学常勤監事 大渕哲也・東京大学大学院教授
河島伸子 同志社大学教授(○)
河東義之 元千葉工業大学教授
神埼宣武 旅の文化研究所長
熊倉純子 東京藝術大学教授
紺野美沙子 女優、国連開発計画親善大使(○)
杉戸清樹 国立国語研究所名誉所員
鈴木規夫 前東京文化財研究所長
道垣内正人 早稲田大学大学院教授、弁護士
戸倉俊一 作曲家、一般社団法人日本音楽著作権協会会長
土肥一史 日本大学大学院教授
西村幸夫 東京大学副学長、日本イコモス国内委員会委員長
宮田亮平 東京藝術大学長
森西真弓 大阪樟蔭女子大学教授
湯浅真奈美 ブリティッシュ・カウンシル アーツ部長
任期は平成25年3月19日~平成26年3月18日の1年間。
「新美術新聞」2013年4月21日号(第1310号)3面より