『拡散する美術』
浅井俊裕 著
求龍堂 刊 (2013/03)
定価(本体1,600円+税)
水戸芸術館現代美術センターで芸術監督を務める著者が、同館ACM劇場発行の機関誌『WALK』に連載したテキストや2000年以降、各所に寄せた文章を加筆、訂正し一冊にまとめた本書。
美術館というシステムにとらわれない“開かれたアート”の潮流が広がった結果、確たる中心を失い拡散してしまった現代美術の現状に、時流をふまえて一定の理解を示しつつも愛情をもって痛烈な言葉を投げかけている。美術評論家・中原佑介がコミッショナーを務め、今日では現代美術界の伝説と言われている1970年の通称「東京ビエンナーレ」や「もの派」と呼ばれた作家たちの制作理論、同館を皮切りに国内外を巡回した「造形集団 海洋堂の軌跡」展などの考察とともに、作品を作る側、観る側双方にアートの未来を問いかける珠玉の現代芸術論。
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