ユネスコ機関イコモスが勧告 「武家の古都・鎌倉」は不登録に
文化庁は、「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」(山梨県・静岡県)について国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)が世界文化遺産に条件付きで登録を勧告したと4月末、発表した。イコモスの勧告は影響力が大きい。この勧告を踏まえ6月16日~27日にカンボジアの首都プノンペンで開かれるユネスコの世界遺産委員会で登録が正式に決まる見通しである。ただし、25の構成資産の一つ「三保松原」(静岡市)を除くという条件が付けられた。
富士山が世界文化遺産に登録されれば、2011年の「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学遺跡群」(岩手県)以来で、日本国内では13件目の世界文化遺産。自然遺産と合わせると国内17件目の世界遺産となる。
一方で共に登録を目指した「武家の古都・鎌倉」(神奈川県)は、不登録の勧告がなされた。イコモスでは「鎌倉の歴史的な重要性は十分に説明されているが連続した有形文化財として顕著な普遍的な価値を有していることを証明できていない」と評価した。
「新美術新聞」2013年5月21日号(第1312号)3面より