下村博文文部科学大臣が4月19日、東京藝術大学を訪問し、宮田亮平学長らと懇談、学内の諸施設を視察した。施設ではまず音楽ホール「奏楽堂」にてオーケストラのリハーサルを聴きながら、同ホールの音響設備など詳しい説明を聞いた。大学院文化財保存学日本画研究室では宮廻正明教授より学生らの制作や壁画の再現技術を紹介され、絵画棟石膏室では保科豊巳学部長らより稀少な石膏像の現状について、また、彫刻科木彫室や工芸科鍛金室では学生たちの熱心な制作振りを目にした。
大学美術館陳列室では開催中の企画展を鑑賞。最後に東京藝大の教育研究成果を社会に発信する藝大アートプラザを訪れ、興味深そうに作品等に見入った。
宮田亮平学長らとの懇談では「日本の文化政策に芸術系大学や美術団体の組織・発信力をどう生かせるのか、産業界や文化人を交えた懇話会の必要性、他国で先行する文化予算1%の実現」なども話題となった。
今回の下村大臣の藝大視察は予定時間を大幅にこえ、その芸術文化に対する関心の高さ、深まりを示すものとなった。
「新美術新聞」2013年5月21日号(第1312号)3面より