『彫刻と戦争の近代』
平瀬礼太 著
吉川弘文館 刊(2013/07)
定価(本体1,700円+税)
材料不足、表現の制限がなされた戦時に、彫刻家は時局といかに対峙したか。その姿が客観的な筆致から描かれる。愛国心から軍人像を作品とした多くの者や、彫刻家としては初の従軍作家・中村直人、また高村光太郎や北村西望の処し方は特に興味深い。戦意高揚が目的のモニュメントが、戦後は平和のシンボルに姿を変えたという事例は、彫刻・イメージの本質的な問題も思わせる。
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