約57万人の動員を記録した「あいちトリエンナーレ2010」より3年、2回目の開催となる「あいちトリエンナーレ2013」が、8月10日(土)に開幕した。今回は、「揺れる大地― われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」をテーマに掲げ、東日本大震災後を含む世界各地で起きている社会の変動を意識しつつ、建築的な視点を取り入れながら、国内外の先端的な現代美術、パフォーミングアーツ、オペラを紹介する。
会場は大きく名古屋地区と岡崎地区に分かれており、国内外から集った100を超えるアーティスト・団体による展示やパフォーマンスを美術館だけでなく街のいたるところで楽しむことが出来る。その他、大学との連携プロジェクトや子どもたちが自由に創作活動を行える「キッズトリエンナーレ」、参加アーティストの作品を県内4施設で巡回展示する「モバイル・トリエンナーレ」など、様々な試みを実施。アートを楽しみ、アートを通じて社会を考え、そして街の新たな魅力を発見する79日間となるだろう。
以下は主要会場の展示内容。
愛知芸術文化センター
2つの階に広がる展示室としての美術館、数々の舞台公演を行う小ホールとプロデュースオペラを上演する大ホール、普及・教育事業を行うアートスペースなどを擁する複合文化施設。同じテーマのもと、トリエンナーレのプログラムの多くが展開される。
会場アクセス
主な出品作家 (カッコ内は展示会場)
[ 現代美術 ]
■ 青野文昭 (10階 愛知県美術館)
■ アーノウト・ミック (10階 愛知県美術館)
■ 石上純也 (10階 愛知県美術館)
■ 岡本信治郎 (10階 愛知県美術館)
■ コーネリア・パーカー(10階 愛知県美術館)
■ ソン・ドン (10階 愛知県美術館)
■ ニッキ・ルナ (10階 愛知県美術館)
■ ハン・フェン (10階 愛知県美術館)
■ 平田五郎 (10階 愛知県美術館)
■ ヤノベケンジ (10階 愛知県美術館、地下2階フォーラムⅡ)
■ 米田知子 (10階 愛知県美術館)
■ キャスパー・アストラップ・シュレーダー+BIG (10階 フォーラム)
■ ソ・ミンジョン (8階 愛知県美術館)
■ 宮本佳明 (8階 愛知県美術館、地下2階~10階 パブリックスペース)
■ オノ・ヨーコ (8階 愛知県美術館 ラウンジ)
■ ステファン・クチュリエ (8階 愛知県美術館 廊下)
■ リアス・アーク美術館 (8階 愛知県美術館 廊下)
ほか
[ パフォーミングアーツ ]
■ ARICA+金氏徹也『しあわせな日々』 (小ホール)
■ イリ・キリアン『East Shadow』 (小ホール)
■ 梅田宏明『4. temporal pattern』/『Holistic Strata』 (小ホール)
■ 藤本隆行+白井剛『Node/ 砂漠の老人』 (小ホール)
■ ままごと『日本の大人』 (小ホール)
■ やなぎみわ『ゼロ・アワー 東京ローズ最後のテープ』 (小ホール)
■ ペーター・ヴェルツ+ウィリアム・フォーサイス『whenever on on on nohow on | airdrawing』 (8階 愛知県美術館 ギャラリーG)
ほか
[ あいちトリエンナーレ2013 プロデュースオペラ] (大ホール)
プッチーニ作曲「蝶々夫人」
指揮:カルロ・モンタナーロ
演出:田尾下哲
公演日=9月14日(土)、16日(月・祝)
名古屋市美術館
緑豊かな白川公園の中にあって、科学館とともに、その緑と調和する形で作られた美術館。黒川紀章の代表建築。今回は、建築家・青木淳がこの黒川建築の再読を試みる。
会場アクセス
主な出品作家
■ 青木淳 杉戸洋 (スパイダース)
■ ワリッド・ラード
■ 藤森照信
■ イ・ブル
ほか
長者町会場
戦後の長者町は繊維卸の町として知られ、「長者町繊維街」の文字が入った5つのアーケードがその特徴的な風景を形作る。名古屋の中心にあって、今なお昭和の都市風景が残された地区の空きビルや駐車場を使った展示を行う。
会場アクセス
主な出品作家 (カッコ内は展示会場)
■ THE WE-LOWS/ザ・ウィロウズ (八木兵丸の内8号館 1階)
■ 打開連合設計事務所 (伏見地下街& 地下鉄伏見駅 連絡通路出入口)
■ Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子) (中部電力(株) 本町開閉所跡地)
■ シュカルト (八木兵綿6号館 1階)
■ マーロン・グリフィス (旧 MURASOU 1階)
■ ケーシー・ウォン (八木兵丸の内8号館 3階)
■ リゴ23 (旧玉屋ビル 外壁)
■ 横山裕一 (八木兵伝馬町ビル ショーウィンドウ、豊島ビル公開空地、八百吉ビル外壁、吉田商事株式会社1階)
ほか
納屋橋会場
名古屋の都市形成に関わりの深い運河堀川と、堀川にかかる納屋橋の南側に位置する建物。戦後、ボーリング場として建てられ、その後、近年まではモデルルームとしても使われていた。その名残が色濃く残る会場でそれぞれのアーティストが個性的な展示を行う。
会場アクセス
主な出品作家 (カッコ内は展示会場)
■ リチャード・ウィルソン (東陽倉庫テナントビル)
■ ミハイル・カリキス& ウリエル・オルロー (東陽倉庫テナントビル 2階)
■ 名和晃平 (東陽倉庫テナントビル 3階)
■ 片山真理 (東陽倉庫テナントビル 2階)
■ クリスティナ・ノルマン (東陽倉庫テナントビル 2階)
■ 青木野枝 (東陽倉庫テナントビル 2階、岡崎地区 松本街会場 旧あざみ美容室)
ほか
岡崎地区
東岡崎駅に隣接したビルの3階フロア、中心市街地である康生のシビコや空きビル、そして、徳川家康の父が祀られた松應寺を拠点に、木造アーケードや狭い路地が入り組む松本町内の空き家を使った広がりのある展開を試みる。
会場アクセス
主な出品作家 (カッコ内は展示会場)
■ ゲッラ・デ・ラ・パス (東岡崎駅会場 名鉄東岡崎駅ビル)
■ 平川祐樹 (康生会場 旧連尺ショールーム)
■ アリエル・シュレジンガー (康生会場 春ビル)
■ バシーア・マクール (康生会場 岡崎シビコ 5階)
■ レッド・ペンシル・スタジオ (康生会場 宝金堂 西側空地)
■ studio velocity/ 栗原健太郎+岩月美穂 (康生会場 岡崎シビコ 屋上)
■ 志賀理恵子 (康生会場 岡崎シビコ 6階)
■ 丹羽良徳 (松本町会場 旧今代ほか)
■ 向井山朋子+ジャン・カルマン (康生会場 岡崎シビコ 5階)
ほか
あいちトリエンナーレ2013
【会期】 2013年8月10日(土)~10月27日(日)
【会場】 名古屋地区(愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、長者町会場、納屋橋会場、名古屋テレビ塔など)/岡崎地区(東岡崎駅会場、康生会場、松本町会場)
【料金】
[国際美術展(現代美術)] 一般1800円 大学生1300円 高校生700円
[プロデュースオペラ「蝶々夫人」] S席:15000円 A席:12000円 B席:9000円 C席:6000円 D席:3000円(学生2000円)
[パフォーミングアーツ公演] チケット購入特設サイト
【関連リンク】 「あいちトリエンナーレ2013」公式サイト