3件の国宝、65件の重要文化財などを含む約3500件のコレクションを誇るMOA美術館がこの秋、新たなアートイベントを開催している。「熱海アートフェスティバル 2013」と題した同イベントは熱海市がシティプロモーションとして取り組む「文化とグルメ ~彩発見THE熱海文化~ 」 の一環として行われ、「感動!ホンモノとの出会い」がイベントテーマとして掲げられている。
これに伴い、MOA美術館では三期にわたって三つの展覧会を開催する。
●第1期 現代のKAMIWAZA! 「人間国宝三人展 ―佐々木苑子・室瀬和美・藤沼昇―」
【会期】 9月1日(日)~10月2日(水)
重要無形文化財保持者(人間国宝)3名の作品を通して、日本の伝統工芸の魅力を余すところなく伝える。出展者は「紬織」の佐々木苑子、「蒔絵」の室瀬和美、「竹工芸」の藤沼昇など。
※上記展示と同時に所蔵企画展「茶の湯の道具」も開催中。長次郎の「黒楽茶碗 銘あやめ」(桃山時代 16世紀)など同館所蔵の茶道具約100点が展示されている。
●第2期 世界初!シルクロードの至宝100年ぶりの再開 「樹下美人と樹下人物」
【会期】 10月4日(金)~11月13日(水)
MOA美術館が所蔵する重要文化財「樹下美人図」(中国・唐時代 8世紀)と、それの対であると考えられている「樹下人物図」(中国・唐時代 8世紀 東京国立博物館蔵)。それぞれ別々のルートで日本にもたらされ収蔵されていたが、この度、来日後初となる同時公開が行われる。
また、それに合わせて「舎利容器」(東京国立博物館)など唐時代の作品や南宋時代以降宮廷で愛された絵画、陶磁など、同館の中国美術コレクションも鑑賞できる。
【同時期開催】 ワークショップ「重要無形文化財 細川紙 手漉き和紙づくりに挑戦」
【日時】 10月6日(日) 午前の部:10時~12時 午後の部:13時30分~15時30分
【講師】 谷野裕子氏(埼玉伝統工芸 重要無形文化財 細川紙)
【会場】 MOA美術館 「花の茶屋」
【料金】 350円
※対象は5歳以上の子どもと保護者
●第3期 日本画の巨匠―大観・春草・玉堂・栖鳳―
【会期】 11月15日(金)~12月24日(火)
明治以降の日本画において重要な役割を果たした横山大観、菱田春草。そして京都画壇で流派を越えた革新的な日本画を描いた竹内栖鳳。同展では、これらの作家をはじめ川合玉堂、速水御舟、前田青邨、橋本関雪などそれまでの伝統にとらわれずに新しい日本画を創りだした日本画の巨匠たちの作品を紹介する。
また同時期にMOA美術館敷地内に設けられた茶室「樵亭」の露地が特別公開される(※)。美術作品とともに美しい紅葉も楽しめる絶好の機会となりそうだ。
※茶室露地公開は11月16日(土)~27日(水)、12月1日(日)~8日(日)の期間限定。料金無料。
以上全て会場はMOA美術館(静岡県熱海市桃山町26-2) ☎0557-84-2511
【開館時間】 9時30分~16時30分(入館は閉館30分前まで)
【料金】 一般1600円 高校生・大学生800円 シニア(満65歳以上)1200円 中学生以下無料